三部作の映画は多いものの、撮影時のテンションの違いか作品三作のパワーやトーンがバラバラで、全体で大きい世界を作り出すところまでいけれないものが多いのですが このインファナル・アフェアは個々でみても楽しいのですが、三部作通してみうたときにできあがる壮大な世界が圧巻なシリーズ作品です。
物語は、マフィアに潜入捜査している刑事ヤンと 警察にスパイとして潜入しているマフィアのラウの、偽りの人生を生きざるえなくなった男それぞれの生き様との対決を描いたというものなのですが 平安な時がなく無限に責め苦を負い続けねばならぬ無間地獄のような人生を生きる男たちの壮絶なドラマを存分にみせてくれる作品です。
人はそれぞれ 生まれによって また行った行為によって背負う業、因果応報といったアジア的な思想がベースにあり、それが登場人物の人生に重みを与えているように感じました。
トニー・レオン演じるヤン、アンディーラウ演じるラウの生き様だけでなく、二人の周りにいる 大ボスヤン ウォン警部などのの人物がまたよく、それぞれが背負った業による苦しみまで表現されていて、それらが複雑に凄まじく絡み合って破滅していく姿は、圧巻です。
敵を裁くために闘う警察、敵を抹殺するために闘うマフィアの違いが 銃を撃ったとき撃ち抜く部位の違いなどで描き分けたりと、細かいところまで気をつかって作られています。
それぞれの登場人物は それぞれの業を背負いそれに向き合い苦しんでいるのですが、一般に死ぬことが最大の不幸で 死=負け 生=勝利となりそうなものですがこの物語は、生き続けることによって続いていく苦悩を描いているところで 1でラウが生き残こるということの意味することが 他の作品と異なっているように思えます。
この作品 ハリウッドでマーティン・スコセッシー監督 レオナルド・ディカプリオ マッド・デイモン主演でリメイクされるそうですが こういった思想感、アメリカ人に出せるのでしょうか ちょっと心配です。
まだ 観たことない方は ここで一気に3作品みられては如何ですか?
個々の作品については 続きに書いてあります。興味のある方はそちらをポチとお願いします。
評価 ★★★★★


監督 アンドリュー・ラウ
CAST トニー・レオン
アンディー・ラウ
エリック・ツァン
アンソニー・ウォン
ケリー・チャン

個別に 紹介
1作目インファナル・アフェアは三部作の軸となる物語で
それぞれに潜入した二人が、ある事件をキッカケに警察ヤクザ双方にスパイがいることが発覚し、互いにスパイ捜しに躍起となる中での二人行動を中心に描き一番単純な構造になっています
双方が友情を感じるほどまで 接触がほとんどないのが残念ではあるものの、正義に燃えて警察になりたかったのにヤクザの中での潜入を命じられ苦しむ刑事ヤン 演じるトニーレオンに野心的なところのある警察に潜入したヤクザ ラウを演じるアンディーラウ が二人とも良い味だしています。 またそれぞれのボスのキャラクターなど 脇を固めてるは役者さんも存在感あり、男臭い骨太な世界を作り上げています。
あくまでも 男の生き様を描いていることもあるのか 女性が象徴的な存在(一方は暖かい平和な世界 そして聖なる存在)としてしかなく人間味にやや欠けることに 違和感を覚えたものの脚本が最高によく面白かったです。
二作目 無間序曲では全作の12年前の話となり二人青年時代のお話で何故潜入することになったエピソードなのですが二人だけでなく、こちらでは 二人が何故潜入することになったのかに加え、ヤンの上司であるウォンの戦いと苦悩、前作でで大ボスになったサムとその妻マリーそれぞれ生き様、などまでが描かれ インファナル・アフェアの世界がより深く重みのあるもととなっています。
また この時代に大ボスとなったハウのインテリな二枚目マフィアぶりがまた格好よくその生き様にも魅せられます。
三作目は単純に1作目の未来と思いきや、一作目で描かれなかったエピソード、その後ただ一人生き残ってしまったラウの苦悩を描いた物語なのですが。。。時系列が複雑でもっとも入り組んだ内容になっています。 前に二作がと人とのぶつかりあう人間ドラマだったのですが これは追いつめられ、ヤンの人生をなぞり傾倒していくうちに精神的に破綻して壊れていく、ラウの精神世界を中心に物語りが進んでいきます。
2作目で優しく正義感もった善人でありながら、ヤクザとは縁のきれない生まれであるヤンの苦悩とは別に、こちらではどんなに善人であろうとしてもマフィアである自分は変えようがないラウの苦悩が描かれています。
この記事に対するコメント
motti さんへ
この作品は コブタも大好きなんです!!
男の世界の中に、この根底に流れるアジアンな思想がまたいいんですよね!
香港映画もまだまだ 熱いな!と思いました!
ブライキングニュースま また違った意味で面白いです!
脚本が洒落ていて、また良くできているんですよ!
こちらも是非ご覧になってみてください!
TB,コメントありがとうございます。
実は僕は最近コレ一気にみました♪
ホントおもしろかったです1
香港ルノワールは2000年前後からの韓国映画の世界マーケットへの台頭から生まれたような気がします。
Ⅲの催眠カウンセリングのクダリ付近はミスターブーやジャッキー映画みたいな古き良き香港映画の香りがしますw
コメント欄もくままく読みまして...ブレイキング・ニュースですか。
今度観てみようとおもいます!
aiさんへ
香港も最近下手なハリウッド作品より面白いものありますよ!
ブレイキングニュースとかもお奨めです!
この作品 ただカッコイイとかいうだけでなく 深いんですよね。
ハリウッドにはない 業とかいった考え方がなんとも物語に重さを与えていますよね!
この作品 今現在 ハリウッドリメイクが作られていますが、、そちらはどうなるのでしょうかね、、期待半分、、恐怖半分のコブタです
香港映画はあまり好きではないほうなのですが、これは友人に薦められ観ました。
香港映画ってこんなに面白いんだ!って目からうろこの作品でした。
すごくストーリーがしっかりしていて、重みのあるドラマ性が特に優れていると感じました。
3部作、全て素晴らしい出来で、男のドラマとしてこれを越える作品はなかなか出てこないのではとさえ思います。
隣の評論家さん こんにちは!
はい この映画はお気に入りです!
男と男のドラマがいいんですよね~
最終章、、ケリーチャン演じるヒロインの行動、、もしかして 復讐のためにさらに狂気においやるために行動している??と深読みしてしまったのは 私だけかしら??
コブタさん、コメントありがとうございました。
三部作分と個別での紹介、素晴らしいですね。それ程に気に入っているという事ですね?トニー・レオン&アンディ・ラウの対決も素敵ですけど、上司2人のエピソードもなかなか秀逸でしたよね。るん。