結構好きな作家東野圭吾さんの原作ということで、TVシリーズから好きだったコチラのシリーズ。
コブタはかなり愉しみで観に行ったのですが、、最近の●●テレビ系列主催の映画の酷さにゲンナリしまくっていたオオブタさんは「これ、、観るの~~(≧0≦)もし詰まらなかったら、見終わったあとコブタさんを蹴り倒していい??」とのたまうていました。
結果、、蹴り倒されることはなく楽しく二人で楽しく劇場を出ることができました(^^)
(↑の内容は、事実を元にしたフィクションです、コブタのお家においてDV行為は一切おこっておりませんので、ご安心下さい。)
【ストーリー】惨殺死体が発見され、新人女性刑事・内海(柴咲コウ)は先輩と事件の捜査に乗り出す。捜査を進めていくうちに、被害者の元妻の隣人である石神(堤真一)が、ガリレオこと物理学者・湯川(福山雅治)の大学時代の友人であることが判明。内海から事件の相談を受けた湯川は、石神が事件の裏にいるのではないかと推理するが……。(シネマトゥディ)
『献身』て言葉、現在も残っていることは残っているけれど、、あまり日常会話で使われることのなくなった言葉なのではないでしょうか?
それだけに、このタイトルでこの物語、改めて『献身』という言葉の意味を深く考えさせられてしまいました。
ミステリーというのは本来 謎を秘めた事件が起こり、それが解き明かされ、犯人が裁かれるまでを描き、その爽快感を楽しむ物語なのに、観客が解決してほしくないと思う物語はないのではないでしょうか?
何度も台詞で出てきますが「解決したところで、誰も幸せにならない」とまさにそんな状況なんですよね。
この作品の素晴らしいところはは、ミステリーとしてもトリックが面白いだけでなく、ドラマ部分が非情に良くできていること。天才物理学者と天才数学者が生み出す論理的思考な部分と、愛という感情から発せられた感情的部分の兼ね合いが見事です。
最初内海刑事のいう『愛』という要素をとるに足らないモノと馬鹿にしていた湯川、『愛』により行動しながら論理的思考でいけば感情をも支配し操れると思っている石神。
湯川は、この事件によって友情と石神の献身的な愛に対して心を揺さぶられ論理だけでは解決することができない事を痛感し、石神は一途で献身的ではあるものの一方的な『愛』に殉じて行動するが、その想い対しての返答を花岡からぶつけられ、自分の論理が崩れるのを知り感情を爆発させ、論理もなにもなくうろたえる。
その姿がとにかく痛々しく観ていて切ない。
親友である石神を尤も精神的に傷付けるこの結末が、湯川本人として正しい行動だったのかは誰にも解らない。
でも、石神が一方的な想いで押しつけた花岡の幸せな未来。花岡がそれを受け入れたからと本当に罪を抱えたまま花岡が幸せになれるのか、そしてその選択を花岡に託したというのは厳しいけれど、この事件の解決はそれしかないのでしょうね。
この作品をここまで魅せるものにしたのは、脚本以上に堤真一の力があるように感じました。
とにかく石神という人物を上手く描けるかによってこの脚本が生きるかどうか決まるといっても過言ではありません。
天才からくる変人な雰囲気、そしてシャイで感情表現や生きることが不器用な所、孤独さといったのを魅力たっぷりに見事に演じきっているからこそ、映画全体に哀愁を漂わせ石神ワールドを作り上げています。
私はとっても好きなミステリー映画でした。
【オオブタさんの一言】ちょっと長い感じもしたけど、結構楽しめた。
ラスト、どう決着つけるかがかなり悩む物語。これはこれで良かったとは思うけど、どういうラストがより盛り上がるのだろうと色々考えてしまった。

監督 西谷弘
出演 福山雅治
柴咲コウ
北村一輝
松雪泰子
堤真一
渡辺いっけい
真矢みき
ダンカン
長塚圭史
益岡徹
林泰文


この記事に対するコメント
ノラネコさんへ
ノラネコさんの 記事読んで 確かにそうだよね!!と思わず唸ってしまいました。
東野圭吾さん自身は、トリックよりもドラマを見せるのが上手い方なので、だからこそ、その事に気付いたノラネコさんはやはり凄いです!
こんばんは
こちらも「イーグルアイ」ほどではなかったですが、物語の矛盾が気になった作品でした。
最初の死体が見つからない事を前提に、全てのトリックを作っているのに、実は死体が見つからなければトリックを作る必要すらないという矛盾が、決定的に気になってしまいました。
まあ東野圭吾は推理小説じゃなくてラブストーリーを書いたつもりなのかもしれませんが。
ジグソーさんへ
コメントありがとうございます(^^)
本当に石神には、泣かされました
同じ殺人ではあるのに、山●●●サスペンスとかと違って、子供を守るため、殉愛のためという所がますます切なくさせていますよね。
トリックも面白いし、ドラマも魅せる!まさに映画に相応しい内容でした!!
どうも!
ドラマは一話しか見てなくて、原作も見てなかったんですが、映画ブロガーさんの評価がよかったので見ました。
本当にテレビドラマ映画としてはとても高いレベルだなぁと感心しました。
こんなに切ない話だとは思ってもいませんでした。
石神には泣かされました。
トリックもどんでん返しでよく出来ていて、人間ドラマとしてもすばらしかったんじゃないかな?と思います。
はらやんさんへ
本当に堤さんの演技は素晴らしかったです!
あそこまでのことをしてしまう男!
いかにそれにリアルさを出せるかが、この物語に観客が引き込まれるかどうかだと思うのですが、それを見事にクリアーさせていたと思います。
ドラマ『トリック』のように TVドラマのまんまのノリでいかなかったのが、流石映画というものを作っていましたよね!
やはり、原作も良かったというのが一番の勝因なのでしょうか
こんばんは
コブタさん、こんばんは!
やはり堤真一さんの演技に唸らされました。
最初は、陰々とした感じの石神という人物を演じている堤さんはやや作り過ぎな感じがしてました。
でも最後の号泣でそういう印象はふっ飛びました。
石神は内に秘めたる想いを出さないよう出さないようにしてたからこそ、ああいう内にこもったような感じになっていたんですね。
すべてを犠牲にしたその想いが叶わなかったとき、決壊したようなあの嗚咽。
あの一瞬にかけているような堤さんの演技にしびれました。
ミステリーとしてもとても良い出来で見応えありました。
テレビドラマで成功したパターンや色をおさえて、あえてこういう雰囲気で撮ったスタッフも勇気があったと思いました。
出人さんへ 睦月さんへ
出人さんへ
ありがとうございます(>人<)
こっそり直すことができました!
そういえば物理学 同じ物理学としか認識してなかったんですが、そうだったんですね!!
ほうほういろんな意味でタイムリーな映画だったのかしら(^^)
睦月さんへ
私もコチラのテレビ局の映画観てなかされるとはおもいませんでした!
ドラマはかなり軽いノリですものね!
だから、睦月さんには物足りない所があったのかもしれませんね(^^)
湯川はとこかく内海やTVシリーズのメンバーの存在感をうっすくして、魅せる演技のできる堤さんに思う存分演技させたことが勝因ともいえますよね~(^▼^)ウケケ
こんにちわ
私、ドラマ版の『ガリレオ』ってたいして
面白いとは思わなかったんです。
でも、この映画版はドラマとは大きく
テイストを変えて、予想以上に素晴らしい
出来だったなあと思いました。
まさかこの『ガリレオ』シリーズで
泣かされるとは思ってもみなかったです(苦笑)。
とにもかくにも堤さんの演技力の高さに
絶賛の意を表したいですね。
彼があまりにも突出しすぎていたおかげで
湯川と内海の存在がすっかり希薄になって
しまったのが逆に面白かったです(汗)
わたしもおもしろかった
時間を感じさせませんでした。
冒頭に出ていたあの機械って、最近ノーベル賞で騒がれてるのと同じじゃないんでしょうか? きっと同じですよ。よくわからないけどw
石神の気持ち、よくわかります。