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●スカイ・クロラ The Sky Crawlers

The Sky Crawlers真っ青な空の、広がる生命力ある緑の野原と、映画の中には瑞々しい生命力溢れる色彩が広がっているはずなのに、この作品をみて感じるのは、ボンヤリとしてくすんで彩度のない世界。
この作品はそんな世界の空気を楽しむ映画だと想いました。


【ストーリー】永遠に生きることを宿命づけられた“キルドレ”と呼ばれる子どもたちが暮らす、もう一つの現代で、彼らは“ショーとしての戦争”で戦闘機に乗って戦っていた。戦うことで生を実感する日々を送る中、元エースパイロットの女性指揮官・草薙水素(菊地凛子)と基地に赴任してきたエースパイロット・函南優一(加瀬亮)が出会う。(シネマトゥディ)



押井守監督の魅力は、虚実が曖昧な独特な世界感、ミステリアスな登場人物、映像の美しさなどと言われていて、コチラのそういった部分で素晴らしいことは素晴らしいのですが、コブタがもっとも素晴らしいと想ったのは間で描きたい事をすべて表現しているという所。
映像や台詞はあくまでもヒントでしかなく、主人公たちが見つめるもしくは佇む空間や、静かに過ぎていく時間に、登場人物たちの言葉にならない虚無感がただよっています。
永遠の子供であるキルドレ。決して倒すことのできない唯一大人の敵パイロットティーチャー。世界平和の為に行われる代行戦争というショー。そのショーの為に死んでいくキルドレのパイロット。終わることの決してない戦い。そういった世界での物語なのですが、描きたいのはそういう世界の構造ではなく、永遠に大人になれないとう特殊な永遠の青春時代を生きざるえない運命を背負ったキルドレの作り出す幻想的なファンタジーな空気のように感じました。
主人公優一が、兎離洲基地に来ることで始まる物語。優一はそれ以前の記憶も曖昧、優秀なパイロットではあるものの自分たち自身の事もよく分かってない、また前任者のジンロウという人物の事も謎、草薙水素が抱えている苦悩の意味も不明、優一は観客とほとんど変わらない情報しかもたない状況で始まります。
キーワードを優一とともに拾いながら、少しづつハッキリしていく優一の視野とともに、観客も世界を理解させていくようになっています。
淡々とエピソードを見せているようで、物語が進むにつれ曖昧で不確かな生をもつキルドレたち姿を色濃くしていき、そのエピソードの中に繰り返えされ続けているキルドレの生死を見せていく所は流石です。
また静かに描いているからこそ、じっくりと世界を感じる事が出来ます
人類の平和の為の代理戦争、そのために終わることのない戦いの為に存在するキルドレ。
だからゆえにキルドレは、代理戦争というルールの中で存在していくしかありません。
そのキルドレとしての生を、漠然と受け入れている優一と、理解しつつも抵抗し苦しむ水素。二人は真逆な反応を示しているようで、心の奥で同じものを抱え共有し、片や感情で、片や理性で、キルドレにとっての壁ともいえる存在パイロットティーチャーに単身で挑むという行動をする二人。
終わることのない戦争の中で死に続け生き続けるしかないキルドレ。そしてキルドレだからこそつくれる終わりの内戦いの中でも終わることのない愛。
そのことで、やっと本当の生を手に入れられる二人のラストはなんともいえない余韻とじんわりとした感動を与えてくれます。
不満があるとしたら、キルドレと代理戦争の秘密というのは充分映画全体で伝わっているので台詞で後押しといわんばかりの説明はいらなかったのではないでしょうか?
伝えたかったのは、そういう物語の中の世界の構造ではなく、優一と水素の物語だったのではないでしょうか?

とはいえ コブタは好きなテイストの作品です。
でも淡々としているところがあるので、ハリウッド大作好きのオオブタさんはきっと、、微妙な反応を示すのかも、、


The Sky Crawlers ポスター

評価 ★★★★☆

監督 押井守

原作 森博嗣

出演 菊地凛子
加瀬亮
栗山千明
谷原章介


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この記事に対するコメント

ノラネコさんへ

裏ポニョとは 上手い言い方ですね~


でもそのアプローチの仕方がまったく違うところが、それぞれの監督らしさであり面白いところですよね。

宮崎さんにしても 押井さんにしても、庵野さんにしても、最近良い意味で影響あたえあって、作品に影響しあっているようにも感じました。

【2008/08/29 12:06】URL | コブタです  #-[ 編集]

こんばんは

私はこの映画、裏ポニョであると思っています。
アプローチは違えど、映画いていることは同じではないかと。
まるで生死が溶け合ったかのような、不思議なこの映画の世界は、正に常世の物語なのではないでしょうか。
永遠の時間のループに閉じ込められてしまった若者たちと考えれば、これが同時に「ビューティフルドリーマー」であることも判ります。
宮崎さんとは別の意味で、押井さんもそろそろ集大成を試みているのか、という気もする作品です。

【2008/08/28 02:06】URL | ノラネコ #xHucOE.I[ 編集]

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2004年の「イノセンス」以来となる、押井守の新作アニメーション映画。 彼は意外と寡作な作家で、劇場用アニメーションに限れば、監督として... ノラネコの呑んで観るシネマ【2008/08/24 22:17】


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