
コチラ、観る人の年代、状況によって違った見方の出来る所があり、それぞれのジュノを楽しむ事が出る作品だと思います。
基本的にハートフルでポップな内容の映画なのですが、コブタの涙腺を思いっきりゆるめてしまった作品でもあります。
でも泣いたといっても、暖かい涙で、いろんな愛に溢れている素敵な作品でした。
【ストーリー】パンクとホラーが好きなクールな女子高生ジュノ(エレン・ペイジ)は、親友ブリーカー(マイケル・セラ)との興味本位にセックスをして妊娠してしまう。中絶を思いとどまったジュノは友だちのリア(オリヴィア・サールビー)に協力してもらい、養子を希望している夫婦を探すことに。理想的な夫婦を見つけ、会いに行ったジュノだったが……。(シネマトゥディ)
コチラの作品、ティーンの妊娠を描いていることもあり、ある特殊な状況に陥った人物の苦労を描いた作品に思うのですが、妊娠した年齢とかは関係なく見てみると「親になるとはどういうのとなのか?」ということを描いた作品でした。
エレン・ペイジ演じるジュノはパンクとホラーが好きでかなり個性的な子供に見えますが、親にしっかり見守られ育った事もあり本質はピュアでクールで鋭い感性をもった子供。
そんなジュノが妊娠することによって、今まで感じることのできなかった視点で親子、夫婦、愛というものをジュノと一緒に考えていくといくような内容になっています。
ジュノの決断を受け入れ、親としてジュノを見守ることにした父親と継母
自分とのセックスによってジュノに子供が出来たことに動揺するブリーカー
母となるために、赤ん坊を迎える準備をしながら親となる決意を固めていくヴァネッサ
ジュノと向き合っていくうちに、青春を思い出し父親以外になりたい物が膨れあがっていくマーク。
それぞれの思いが、季節とともに移り変わっていく様子が丁寧に描かれています。
この映画をみると、子供を作るということと、親になるという事がまったく異なる意味をもつことだというのがよく分かります。
ここで人によって誰に感情移入するかで違った物語に見えてくるのではないでしょうか?
二人の男女がセックスをして子供が生まれ、親子となり家族となる。それはごくごく普通の流れのように思えますが、世の中にどのくらいの人が親になるということの覚悟をしっかりもってから親となっているのでしょうね。
私はその覚悟をゆるませてしまって途中でくじけてしまった状況です。
結婚するまでは、姉のように結婚して子供が生まれ家族をまもって生きていくことは当たり前の事だと思っていました。
実際、自分も結婚してそのように生きるものだと信じていましたし、すぐに妊娠ってことになっていたら、親になることも悩むこともなく、お腹の子供の成長とともに親になる覚悟も育て母として妻として頑張っていたと思います。
しかし私の場合結婚して何となく2年ほど普通に過ごし、お姑さんから「そろそろ赤ちゃんって話はないのかしら?」という言葉を聞き、これは期待に応えないと!2年がんばってみましたが結果が出ず、、。
そして漢方治療したり、医者に通ったりと頑張っているうちに、「何の為に子供が欲しいのだろう?」「自分っていい母親になれるの?こんな母もって子供は幸せになれるのかな」など色々ぐるぐると考えてしまったんですよね。
しかも医者に、「今まさに排卵日なので今夜頑張ってください」「あと2日くらいで排卵日ですよ」と毎月言われ続けて、本来なら愛しさの気持ちで行うはずの行為を、単なる手続きかのように扱われていくことにも違和感を感じているうちに母となる意欲も、覚悟も萎ませていってしまいました。
私とは真逆の悩みと苦悩をしているジュノとブリーカー。ちょっと前の私のテンションをもっているヴァネッサ。不妊治療の後期の私の心情に近い部分のあるマーク。それぞれが親になるということの重さをかみしめ悩んでいる様子をついつい引き込まれてしまいました。
物語の中で、すでにジョノの親として生きた来た父と継母、親となったヴァネッサは、子供を産んでも母とならなかったジュノ、子供の父親ではなくジュノの恋人として愛する人と向き合うことを学ぶブリーカー、夢と自由のために父親になることを放棄するマークたちが手に入れられなかった深さと強さをもって輝いています。その描き分けというのが、この映画の見所だと思います。
子供が出来るということの素晴らしさと、親になるという事の素晴らしさという人生における二つの輝いた瞬間を楽しむ事が出来る、いい映画だと思います。
【オオブタさんの一言】思ったよりも波乱も事件もなく、いい感じのホームドラマという感じ。
もう少しジュノの苦労といったものを描いてもよかったような気がする。
また、自分が親になるという選択肢がまったくないというのも意外だった。

評価 ★★★★☆


監督: ジェイソン・ライトマン
出演 エレン・ペイジ
マイケル・セラ
ジェニファー・ガーナー
ジェイソン・ベイトマン
アリソン・ジャネイ
J・K・シモンズ
オリヴィア・サールビー
