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●マンデラの名もなき看守(GOODBYE BAFANA)

マンデラの名もなき看守(GOODBYE BAFANA)肌の色や生まれ育ち、
宗教などを理由に生まれつき他者を憎むものなどいない
人は憎しみを学ぶのだ
憎しみを学ぶことができるなら
愛することも学べるはずだ
なぜならば愛は
人間の本性より自然によりそうものだからだ
<自由へのみちのり>より』

なんて素敵な言葉なのでしょうか!

これはこの映画にも登場するネルソン・マンデラ大統領の言葉です。
偉大なる思想家であり政治家だけに、今まで映画化の話も多かった人物に関わらず映画化を拒み続けたマンデラ大統領が初めて許可したのがコチラの作品。
そのためにもコチラの作品はアパルトヘイトの悲惨さでも、自分の偉大さを描くのでもなく、アパルトヘイト下においても人間の本質である他者を受け入れ愛する心は生き続けていたという内容になっていました。


【ストーリー】アパルトヘイト政策により、黒人が差別されている1968年の南アフリカ。白人看守のグレゴリー(ジョセフ・ファインズ)は、マンデラ(デニス・ヘイスバート)が収監されているロベン島の刑務所に赴任。マンデラの故郷の言葉であるコーサ語を操ることができるグレゴリーは、マンデラらの秘密の会話をスパイするよう命じられる。(シネマトゥディ)



アパルトヘイトというと、白人至上主義で白人のみを優遇しカラード・アジア人・黒人を虐げるという非人道的な事がまかり通ったのかというのも不思議なのですが事実あった出来事。
そんな状況下で、虐げられている有色人種自由はもちろんないのですが、白人も本当の意味で自由ではないのだというのをこの映画で良く分かりました。

コチラの作品、一見監視する者と監視される者、相対する立場の人間の友情を描くということでこの設定から「善き人の為のソナタ」を思い浮かべる人も多いと思いますし、私もそう思っていました。
しかし、「善き人は」は静かに、活動家達のひたむきに行動に心うたれ人間らしさを取り戻していく様子を静かに感動的に描いているのにくらべ、コチラは人間の以上な状況下に生きる人間の優しさと弱さを描いておりいわゆる感動を与えるためには作ってないように感じました。

この映画の主人公グレゴリーは、冷徹でも残忍でもなく最初から善良な人間です。
そんな彼に起こる多きな変化は、自分がいる世界が根本的に間違えている事実に気がつくだけ。
しかし気がついたところで、そんな社会で守るべき家族をもっているグレゴリーが出来ることはその体制に身を委ねながら傍観することしかできません。それだけにもどかしさと、罪悪感に苛まれていきます。そして体制が崩壊しマンデラの釈放とともに、看守であったグレゴリーも本当の意味で自由を手にいれるという物語。

そのために、グレゴリーは看守として出来る限りの配慮はするものの任務から逸脱したことはしないし、根本的な事で何も出来ない事の苦悩を描いていることもあり、観ている側ももどかしい気分で観ることになってしまったのではないでしょうか?
同じアパルトヘイトを描いた「遠い夜明け」のように行動し危険にあい海外へ亡命するわけでもなく。「善き人の為のソナタ」のように積極的に相手を助けるために行動するわけでもないぶん、ただ諦めの心をもって体制が変わることを望んでいるだけのグレゴリーという人間が弱くみえてしまうかもしれませんが、その辺りの行動のリアルさが逆に心に残りました。
人間らしく悩み苦悩するグレゴリーと、使命を胸に秘め揺るぎない意志をもったマンデラの対比それこそがこの映画の見所になっています。

この作品を観て、一番思うのはマンデラ大統領という偉大な人物の存在ではなく、根本的に間違えてしまっている社会の中普通に生きうる一般の人として生きるってどういうことなんだろうか?ということでした。
グレゴリー一家は、グレゴリーは誠実で心やさしい男、奥さんは献身的で社交的で愛情の深い女性、素直で感受性の強く心優しい娘、陽気で無邪気な息子、何処の国でもいるであろう暖かい家族。
にも関わらず、最初、普通に考えてみたら異常な制度であるアパルトヘイトをすんなり受け入れそれを「神がお決めになったルール」とまで言っています。そのことがアパルトヘイトだけでなく、世界のあらゆる所でおこっている偏見の怖さのようにも思ってしまいました。
私もそういう偏見はないとは思っていますが。実はトンでもない恐い偏見を持っている可能性もあるかもしれないとすら感じてしまいました。
小さい頃福岡県に住んでいたのですが、その時ごくごく普通に友人が悪気もなく朝鮮の方への偏見に満ちた言葉を吐いているのを聞きギョッとした事があるのですが、そうやって身近な所でも社会が教え作り出した憎しみのが存在しているって恐いことですよね。


マンデラの名もなき看守(GOODBYE BAFANA) グラフ

評価 ★★★☆☆

監督 ビレ・アウグスト
出演 ジョセフ・ファインズ
デニス・ヘイスバート
ダイアン・クルーガー
シロー・ヘンダーソン
タイロン・キオー
ミーガン・スミス
ジェシカ・マニュエル
フェイス・ンドゥクワナ

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この記事に対するコメント

となひょう さんへ

こんにちは!
これってアパルトヘイトというと、どちらあkというと陰惨な内容を映画想像するのですが、体制ではなくコチラはあえて人間の方に焦点をあてたというところが見事でした!

グロリアの存在も、彼女の心の動きの描き方が丁寧で、色々考えさせられました。
激しい感動ではなくて色々考えさせられるそんな映画でよかったです。

【2008/06/09 20:47】URL | コブタです #-[ 編集]

こんにちは。

コブタさん、TB&コメントありがとうございました。
観る前は、『アパルトヘイト』と聞いただけで起伏の激しい作風なのかと勝手にイメージしていたけど。
何と言うか、穏やかにジンワリと沁みる作品という感じでした。
風情♪さんも挙げているように、グレゴリーの妻グロリアの言動は印象的でしたよね。
排他的な社会で、偏見を持つことが当たり前のような環境で生きていると、悪気がある訳ではないのに偏った考え方をするのが普通になってしまっていて。
ラストのグロリアが登場する場面は、印象に残りました。
あの彼女の姿を素通りしてしまうと、感動も薄れてしまいそうな大事な場面だなぁと思いました。

【2008/06/06 22:11】URL | となひょう #-[ 編集]

風情♪さんへ

おひさしぶりです!
お帰りなさい!

たしかにグロリアの役所は絶妙でしたよね。
始めは本気で、そしてしだいにそう思い込むことで自分や家族を守ろうとし、でも自分の気持ちは騙せない、、という描写が上手かったです。
でも、ああいう体制下で生まれたら自分もどうなってしまうのでしょうかね~

【2008/06/06 20:31】URL | コブタです #-[ 編集]

こんにちは♪

マンデラ氏、グレゴリーの人物像もヨカッタのですが
個人的に心底憎んでいるワケでもないのに、周りから
の目線や体制に従っていなければ家族を守れないこと
を知っていて、「黒人はテロリスト」と言って
差別を当たり前のように受け入れてしまっている
グロリアと言う人が一番興味深かったです♪ (゚▽゚)v

【2008/06/06 14:48】URL | 風情♪ #s8w929I6[ 編集]

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マンデラの名もなき看守

「マンデラの名もなき看守」 GOODBYE BAFANA/製作:2006年、フラ 映画通の部屋【2008/06/06 22:04】


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