
ロバート・レッドフォード、メリル・ストリープ、トム・クルーズといった匆々たるキャストが、現代のアメリカを切り込んでいるというこの作品。
やはり魅せる演技をする3人だけに、ほとんど会話だけシーンが多いのに関わらず世界に引きずり込ませてくれる所は流石だと思いました。
【ストーリー】未来の大統領とも目される上院議員のアーヴィング(トム・クルーズ)は、テレビジャーナリストのロス(メリル・ストリープ)に最新の戦略についての情報をリークする。そのころ、大学教授マレー(ロバート・レッドフォード)の教え子(デレク・ルーク、マイケル・ペーニャ)は、兵士としてアフガニスタンの雪山でその戦略のひとつに携わっていた。(シネマトゥディ)
この映画の良さは、テーマがハッキリしていてそれを非情にシンプルに見せていること。
また演じている人間がそれぞれ自分の役割をしっかり分かっていることで、それを表現することで、見ている側にストレートに伝わってきます。
しかしそれを押しつけるというのではなく、疑問を観客に投げかけて考えさせるというものなので、結論とか結果とか欲しい人には、やや物足りなさを感じるかもしれませんが、登場人物それぞれが感じた92分の時間をタイムリーに観客に感んじさせる見せ方も上手いです。
ある軍事作戦結構された1時間ちょっとの時間を、その作戦に参加した二人の若者の様子と同時進行で、作戦を立案した未来の大統領とも目される上院議員、鋭い視点と切り口が持ち味の女性ジャーナリストとの対談風景を見せつつ、作戦に参加した若者の恩師である歴史学の教授マレーの言葉を、おそらく観客に一番近いであろう無関心で無邪気な若者トッドという存在を配置することで観客が映画の世界に入りやすいようにしています。
今のアメリカの現状の中で戦争の責任ってどこにあるのか、戦場を知らない自らの手を汚すことのない政治家なのか、世論に応じて煽るだけのマスコミなのか、全てに無関心な民衆なのかというものに対して、悪いのを政治家だけとしてないところがこの映画のリベラルな所ですが、逆に踏み込んでいるようで誰もが分かって感じているような内容で止まってしまっている部分が多く、それだけに深く心に感じ入るまではいけない所が残念といたら残念です。
社会を冷静に理解してい悩んでいながらも、ジャーナリストのロスとマレー教授、そして頭デッカチで正論を吐きながらもどこか間違えた行動に進んでいく、または作り出していく物を相手との対話し、その危うさに気がつきながらも、彼ら自身はも無力でそういう意味では自体を打開する手立てにはなっていない。
また自分の力で考えて行動してみた若者も、黒人、メキシコ人ということで、使命感に燃えているようでアメリカでの閉塞された現状に流されての結果の行動。そのどうしようなさも、ある意味今のアメリカの姿でもあるのでしょうね。
タイトルになっている「羊に率いられたライオン」何を羊と指しているのかは観る人によって変わってくるかもしれませんが、コチラの映画、まず見てみてそれぞれがトッドのように何も分かってないながらも、まず考えるそれを促すのにいいキッカケにはなるのではないでしょうか?
【オオブタさんの一言】それぞれの演技は素晴らしく魅せるけど思ったより自分の中では盛り上がらなかった。
アメリカ人によるアメリカ人の為の映画という感じ

評価 ★★★☆☆
監督・製作 ロバート・レッドフォード
出演 ロバート・レッドフォード
メリル・ストリープ
トム・クルーズ
ピーター・バーグ
マイケル・ペーニャ
デレク・ルーク
