fc2ブログ

●大いなる陰謀(LIONS FOR LAMBS)

大いなる陰謀(LIONS FOR LAMBS)ポスターロバート・レッドフォード、メリル・ストリープ、トム・クルーズといった匆々たるキャストが、現代のアメリカを切り込んでいるというこの作品。
やはり魅せる演技をする3人だけに、ほとんど会話だけシーンが多いのに関わらず世界に引きずり込ませてくれる所は流石だと思いました。



【ストーリー】未来の大統領とも目される上院議員のアーヴィング(トム・クルーズ)は、テレビジャーナリストのロス(メリル・ストリープ)に最新の戦略についての情報をリークする。そのころ、大学教授マレー(ロバート・レッドフォード)の教え子(デレク・ルーク、マイケル・ペーニャ)は、兵士としてアフガニスタンの雪山でその戦略のひとつに携わっていた。(シネマトゥディ)


この映画の良さは、テーマがハッキリしていてそれを非情にシンプルに見せていること。
また演じている人間がそれぞれ自分の役割をしっかり分かっていることで、それを表現することで、見ている側にストレートに伝わってきます。
しかしそれを押しつけるというのではなく、疑問を観客に投げかけて考えさせるというものなので、結論とか結果とか欲しい人には、やや物足りなさを感じるかもしれませんが、登場人物それぞれが感じた92分の時間をタイムリーに観客に感んじさせる見せ方も上手いです。
ある軍事作戦結構された1時間ちょっとの時間を、その作戦に参加した二人の若者の様子と同時進行で、作戦を立案した未来の大統領とも目される上院議員、鋭い視点と切り口が持ち味の女性ジャーナリストとの対談風景を見せつつ、作戦に参加した若者の恩師である歴史学の教授マレーの言葉を、おそらく観客に一番近いであろう無関心で無邪気な若者トッドという存在を配置することで観客が映画の世界に入りやすいようにしています。
今のアメリカの現状の中で戦争の責任ってどこにあるのか、戦場を知らない自らの手を汚すことのない政治家なのか、世論に応じて煽るだけのマスコミなのか、全てに無関心な民衆なのかというものに対して、悪いのを政治家だけとしてないところがこの映画のリベラルな所ですが、逆に踏み込んでいるようで誰もが分かって感じているような内容で止まってしまっている部分が多く、それだけに深く心に感じ入るまではいけない所が残念といたら残念です。
社会を冷静に理解してい悩んでいながらも、ジャーナリストのロスとマレー教授、そして頭デッカチで正論を吐きながらもどこか間違えた行動に進んでいく、または作り出していく物を相手との対話し、その危うさに気がつきながらも、彼ら自身はも無力でそういう意味では自体を打開する手立てにはなっていない。
また自分の力で考えて行動してみた若者も、黒人、メキシコ人ということで、使命感に燃えているようでアメリカでの閉塞された現状に流されての結果の行動。そのどうしようなさも、ある意味今のアメリカの姿でもあるのでしょうね。
タイトルになっている「羊に率いられたライオン」何を羊と指しているのかは観る人によって変わってくるかもしれませんが、コチラの映画、まず見てみてそれぞれがトッドのように何も分かってないながらも、まず考えるそれを促すのにいいキッカケにはなるのではないでしょうか?

【オオブタさんの一言】それぞれの演技は素晴らしく魅せるけど思ったより自分の中では盛り上がらなかった。
アメリカ人によるアメリカ人の為の映画という感じ



大いなる陰謀(LIONS FOR LAMBS)グラフ
評価 ★★★☆☆
監督・製作 ロバート・レッドフォード
出演 ロバート・レッドフォード
メリル・ストリープ
トム・クルーズ
ピーター・バーグ
マイケル・ペーニャ
デレク・ルーク

にほんブログ村 映画ブログへ
にほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへ

この記事に対するコメント

となひょうさんへ

コチラの映画見せているものや表現の仕方好きなのですが、このテーマならもっと踏み込んだものが欲しい!という感じでついつい求めるものを大きくしてしまったために 世界に入り込むまでいきませんでした。

いい映画だとは思うのですが(’’
コブタのツボというのも何処にあるのか分からないそこが不思議なところです。

【2008/05/13 01:31】URL | コブタです #-[ 編集]

コブタさん、こちらにもー
そうですね。
物足りなく感じる人も多いかもしれませんね。
私も、ロバート・レッドフォード監督作品というと長尺というイメージが強くて。
豪華なキャストながらに92分というコンパクトな仕上がりだったのは驚きました。
見る人に解釈を委ねる感じでしたけど、色んなメッセージが込められているような気がしました。

私は、メインの3人よりもマイケル・ペーニャが見たくて劇場に足を運んだんですよね。
想像していたよりも出番が多くて嬉しかったです♪

【2008/05/12 22:38】URL | となひょう #-[ 編集]

はらやんさんへ ノラネコさんへ

はらやんさんへ 
たしかに啓蒙作品として、考えさせらる部分はありますよね。
日本の政治家はアメリカの政治かよりこ言葉を紡ぐのが下手だけに、よけいにアラが目立つところもあり、どっちの政党がやろうが誰が総理大臣もね~と嫌気さしているのもたしかでしす(--;もう少し国民もみんなで声をあげる必要もあるのでしょうね~

ノラネコさんへ
こちらの作品、作られると言うこと自身は素晴らしかったと思いますし。レッドフォードの強い意志や伝えたいテーマはしっかり伝わってきました。
でも、でもいささか表現がストレートすぎて、観る側にやや耳が痛いという感じになってしまったのでしょうね~
でもよっぽど変な馬鹿な映画を見るよりかは、コチラの作品見ることの意味はありますよね~

【2008/05/08 12:47】URL | コブタです #-[ 編集]

こんばんは

まあアメリカの有権者に向けた選挙啓蒙映画なので、その割にはきっちりとよく出来ていると思います。
ただ残念ながら、理屈っぽくて映画を観たという感慨はあまり得られないあたりに興行的な大失敗の要因があるように思います。

【2008/05/04 23:24】URL | ノラネコ #xHucOE.I[ 編集]

こんにちは

コブタさん、こんにちは!

政治に無関心で、個人主義であるというのは、アメリカだけでなく、考えてみると日本もそうなってきているかなという気がします。
永田町での争いを見ていて嫌気がさして関心がなくなるというのは、政治家も国民も双方に責任があるような気がします。
この映画、対岸の火事と見ず、日本ではどうかという視点で観てみるとより深く見えるような気がしました。

【2008/05/04 07:06】URL | はらやん #-[ 編集]

motti さんへ

自分自身も、その無関心で終わっている一人ではあるので、この映画はみてて思う所はありました。
でも、無関心でない人が分かっていてもどうにも世界は動かすジタンだ踏んで苦しんでいる状況で終わってしまって結局感じているモヤモヤを大きくしてしまっただけの所もあるんですよね。
あと授業の討論私も面白そうだと思いました!私は絵やデザインの実技の多い大学だったのでこういう形の講義ってうけたことないのですが、日本の一般の大学ってあるのでしょうか??ちょっと気になってしまいました

【2008/05/04 01:34】URL | コブタです #-[ 編集]

コブタさんこんにちは、
オオブタさんのいうような、アメリカの問題であって蚊帳の外って感じはなくて、政治に無関心なくせに政治不信な今の日本に置き換えて感情移入できました。
あと、本筋と違いますが、アメリカの学生の討論力は素晴らしいなとおもいました。ああいう真剣な姿、日本の学生にあるんでしょうか...ってw

【2008/05/03 12:10】URL | motti #-[ 編集]

この記事に対するコメントの投稿



管理者にだけ表示を許可する

この記事に対するトラックバック

トラックバックURL
http://asmallpiggy.blog33.fc2.com/tb.php/689-dc48d906
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

「大いなる陰謀」 レッドフォードの嘆きが聞こえる

アメリカが今ほどに世界中から嫌われている状態というのはなかったでしょう。 けれど はらやんの映画徒然草【2008/05/04 06:14】

大いなる陰謀・・・・・評価額1350円

今年はアメリカ大統領選が行われる年。 言い換えれば二期八年のブッシュ政権の総決算がされる年でもある。 ロバート・レッドフォード監督の... ノラネコの呑んで観るシネマ【2008/05/04 21:37】

大いなる陰謀

【映画的カリスマ指数】★★★☆☆  自由と正義の名のもとに・・・そのとき私たちは?   カリスマ映画論【2008/05/07 00:04】

大いなる陰謀

「大いなる陰謀」 LIONS FOR LAMBS/製作:2007年、アメリカ 9 映画通の部屋【2008/05/12 22:30】