
コチラの作品第80回アカデミー賞外国語映画部門にノミネートされたことで日本での公開が決まったおかげで観ることができました。
選出基準に疑問の多いアカデミー賞外国語映画部門ですが、こういう嬉しい動きが出来るなら悪くないものですね!
どちらかというと飄々としたつかみ所のない役の多い浅野忠信ですが、コチラの作品では思いっきり男臭いいろんな意味でデカイ男を見せてくれました。
いままで様々な伝説の王を描いた作品がありましたが、その中でも1・2位争うほど器が大きな王に感じました。
【ストーリー】モンゴル遊牧民族の長イェスゲイの長男として生まれたテムジン(浅野忠信)は、妻ボルテとの出会いやライバルであり戦友のジャムハとの友情を通し、王と呼ばれるにふさわしい一人前の男に成長する。父の死後部族の長となったテムジンは、モンゴルを統一すべく、部族間の激しい戦いに身を投じていく。(シネマトゥディ)
多くの日本人はモンゴルって横綱朝青龍の生まれ故郷というだけの印象。
世界的に有名で伝説の王であるチンギス・ハーンも歴史の教科書では1ページの半分位の紹介のみ。実体はいまいち分からず、日本においては義経説などありミステリアスな要素を強く感じる人が多いのではないでしょうか?
そんなミステリアスな存在だったチンギス・ハーンが、この映画を観ることで生きた一人の男として私の中に刻み付けられました。
この映画で一番感じるのは、モンゴルという土の香りのする風土と気質!モンゴル魂というのがどういうものなのかを見せ付けられます。
朝青龍に細々と小さい事を言って日本の枠に嵌めようとすること事態間違えているのね〜と思ってしまう大陸的で大きい物の考え方が流れています。
その中でも際立ったスケールのデカサをもっているのが、浅野忠信演じるテムジンの存在!
おそらく、父親を殺され、裏切りにより国を追われ、妻を奪われ、友との悲しいすれ違い、といったのは世界中にいる帝国を築いたような男なら、必ずといっていいほど経験するようなことですが、そういった事に対峙したときの他の人物とは一線を画した毅然とした態度と行動をしていきます。
テムジンがなぜ、そうも強いのか、そして行動に迷いがないのか?
その答えは、テムジンが非常にシンプルな物の考え方をしていること。
自分にとって何が大切なのか?何を守るべきなのかというのを分かって、そのしっかりした揺るぎのない判断基準に合わせてシンプルに物事を考えていきます。
その揺るぎなさが、神秘性と貫禄と特異性を魅せていて、多くの人を従えて後に偉業を成し遂げた人物というを説得力をもって見ることができます。
またテムジンの妻ボルテもそういう意味では同じくらい大物ぶりを見せていて、お互いの想いに揺るぎがない事が前提で行動する二人の姿は圧巻です。(ハリウッド映画の中でヤレかまってくれないとかで、仕事にかまけて家庭を顧みないとキレて家を出て行ってしまう奥様と大違い!!)
物語としては、チンギス・ハーンの人生をかなり駆け足で紹介したにすぎない内容なのですが、その中で人物の魅力を上手く表現していることで、見ごたえのある作品に仕上げています。

評価 ★★★★☆
監督・脚本・製作 セルゲイ・ボドロフ
出演 浅野忠信
スン・ホンレイ
アマデュ・ママダコフ
クーラン・チュラン