Date:2007/10/05 12:19

ペドロ・アルモドバル監督はコブタが好きな監督の一人。とはいえコブタはこの監督の描く愛というのはあまり好きではなかったりする。
ペドロ・アルモドバルは母性愛、友情いった深く暖かい愛情を描く事には長けているけど、性的な意味を含んだ関係になるととたんに冷たく残酷で曖昧なものとなってしまう気がする。
今回はその性的な関係で結ばれた人物達を描いたせいか、愛憎とか淫靡さがもつ体温の高さや感情を昂ぶりといったものを感じられなかった。
今回の作品は、新進映画監督が、かつての親友であり初恋の人と大人になって再会し交流していくうちに親友の驚くべき秘密を知ってしまうという物語で、ペドロ・アルモドバルの自叙伝的映画とも言われている。
メインとなる人物も少なく、主人公エンリケ、イグナシオ・アンヘル、マノロ神父の4人。
忌み嫌っている兄がかつて関係をもった人と次々接触し、肉体関係を結果結んでいくアンヘル、そしてイグナシオとしてアンヘルを抱くエンリケ、かつての純粋なイグナシオを見出し執着していくマノロ神父、全て屈折した関係、
また描かれている関係は、相手を慈しみお互いが幸せになるような愛なんて一つもなく全て自分を満たすだめのだけの行為、その4人の中イグナシオを核として打算と欲望の渦巻く関係が繰り広げられる。
自叙伝的とも言われるだけにペドロ・アルモドバルが、経験してきた愛というのが、こういった痛々しく悲しいものばかりだったのかなと深読みすらしてしまうコブタがいる。
そして不満というか納得できない部分が、それぞれの関係がお互いの内面を晒し出すことなく、一方的に片方が自己完結し相手の言葉を遮断し終わらせてしまっていること。
特に主人公エンリケは監督という役割もあってそれぞれに何だかの関係をもちつつも一歩ひいた視点で世界を見ていて、イグナシオに関わる真相を知ったところで、イグナシオやアンヘルの事を全てを自分の中で終わらせてしまう。
打算だけで動いていたように見えるアンヘルが最後弁明しようとしたのを聞こうともしない。
アンヘルの中にある屈折した愛情を気付いた上で切り捨てたのかまでは不明だけど、見終わったあと観客の感情も、そういった形でばっさり切り捨てられて閉まった感じがする。
映画としてが凄いと思うし、映像も凄まじく脚本もい凄いと思う、だけどコレをみて感情は揺さぶられたけれど盛り上がる事が出来なかった。評価 ★★★☆☆
監督 ペドロ・アルモドバル
出演 ガエル・ガルシア・ベルナル
フェレ・マルティネス
ハビエル・カマラ
ルイス・オマール
ダニエル・ヒメネス・カチョ
レオノール・ワトリング
ナチョ・ペレス
ラウル・ガルシア・フォルネイロ
映画レビュー
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