Date:2007/09/14 22:25
人間の心とは複雑なもので、愛と憎しみ真逆な存在でありながら、変わらないくらいの激しさで心を占領する。
同じように好きと嫌いも、時として人の心に変わらないくらいのインパクトを与え、どちらも気になる存在になってしまうものである。
コブタには(非凡さは認めているけど)大嫌いな監督が3人いる。
デイヴィッド・リンチ、リュック・ベッソン そして、 ラース・フォン・トリアー。
この三人の中で、多分一番嫌いなのがラース・フォン・トリアー監督の事。
ラース監督何処が嫌いって、、、それは彼の人間性!!
そりゃ映画監督は人格者でなければいけないとは言いませんが、ラース監督の場合その歪みきった人間性が作品にしっかり反映されている。
そのラース監督の精神的サディストな性質が滲み出している世界それ自体がコブタが毛嫌いしている部分です。
彼の作品の主人公は純粋で健気、そんな人物がささやかな幸せのために一途に努力するけどその努力がまったく報われることがなく悲惨なラストを迎える、観ていて映画をみることの喜びがまったくなく、なんとも嫌~な感情が低くグルグル渦巻いて行き場をなくすという状況で鑑賞後感が最悪。
なので、観なきゃいいんですが、、、うっかりドック・ウィルを鑑賞してしまった。(――;
そして、やはりラース監督が嫌いだということを再確認、、、してウーンと渦巻く嫌悪感、、。
とはいえ この「ドックウィル」実験的ではあるもののその見せ方、衝撃ともいえるラストの展開は流石というべきで楽しめた。
この映画、いわゆる映画セットは作っておらず、舞台となる村の家の壁は地面に書いた線で表現され、家具だけが配置された舞台劇のような世界で物語が進んでいく。
住民15人が住んでいるだけの小さい村ドックウィル。個々の家の壁を取っ払うことでドック・ウィルの村自身が一つのフィールドとなり、上手く閉塞的な一体感をもたせていた。
ヒロインと各住民という個人との関係というより、ヒロインとヒロインを取り囲むドック・ウィルという狂気へと走っていく集団という関係を絶妙に表現されていた。

作り物めいた舞台が、非情すぎる物語を少し緩和してみていたのも、他の作品にに比べ見やすくしていたように思う。
とはいえ、、とんでもない物語であることは確か!!
コブタは好きではないし、、物語のぶっ飛び方、世界の見せ方が特殊すぎることで、かなり評価は分かれるでしょうね~
評価 ★★★★☆



監督・脚本 ラース・フォン・トリアー
出演 ニコール・キッドマン
ポール・ベタニー
クロエ・セヴィニー
ローレン・バコール
ジェームズ・カーン
パトリシア・クラークソン


ドッグヴィル | |
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この記事に対するコメント
ニ純さんへ 睦月さんへ
ニ純さんへ
なんか 物語紹介をみてもなかなかな内容みたいですね(^^;
この作品で完全に役者から嫌われてしまったために、主人公ニコールではなくなってしまっているんですね~
睦月さんへ
はい、、ベッソンは苦手というより嫌いです!
昔の作品は大好きだったのですが、ある時期からえげつなさのほうが気になってしまい駄目になってしまいました。
この三人の嫌いだという監督の中で、ベッソンは一人新作が気にならないし見る気がしないんですよね、、。
あとの二人は、、嫌いなのについ見てしまうのですが、、(^^;
こんばんわ
TB&コメントありがとうございます。
うわー!ベッソンも苦手な監督の一人なんですね(苦笑)。んじゃ、ミニモイは鑑賞予定なし?
それにしても、ラースの作る作品ってホントにイヤだなあ(苦笑)。私はこの監督さん嫌いではないけれど、このシリーズはやっぱり嫌悪感が残ります。
このアメリカ3部作と言われるシリーズの最終版も作られるみたいですが・・・次はどんな展開を見せるか楽しみでもあります。
しかしながら、アメリカに一度も足を踏み入れたこともないラース監督なのに、こんなに痛烈なアメリカ批判が出来るのもすごいなあと思いますわ(苦笑)
「マンダレイ」はやはり前作の衝撃を超えることには無理でしたが、内容は相変わらず残酷なものです。
前作では普遍的な人間な醜さを全面に押し出していましたが、今回は黒人差別問題がメインになっているの見易くはなっていますが、物足りなさはあります。
主役交代もやはりマイナス要素。しかし、グレースの善意が善意でなくり、2重の捻りを効かせた皮肉たっぷりのラストは期待通りでした。
ニ純さんへ
こちらの作品物語の内容も舞台っぽいですよね!
ラースからみたアメリカ人ってこんな感じなのでしょうね~。
マンダレイはどうでした??やはり同じようになんともいえない、気持ちになるのでしょうか?
ラストは、、グレース自身の破滅で終わるのでしょうかね~(’’
気になるけど、、観たくないような、、観たいような複雑な気分です。
映画というより演劇を見ているような感覚ですね。セットがないせいもあるし。
閉鎖的な町が舞台なので、そこに住む人々の暗部をうまく引き出して、ラストは残酷であるが、あれが運命だったんだと思えばまた違ってくると思います。
実際にアメリカに行ったことのないラースがアメリカを描く事態ナンセンスなのですが、人間の狂気の部分を描いているので舞台はどこでもいいような。
これ3部作なんですよね。私は2作品観ましたが。完結編はやはり気になりますね。どんなラストが待っているのか・・・。