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●ボルベール (VOLVER)

ボルベール <帰郷>(VOLVER)ペドロ・アルモドバル監督女性賛歌映画三部作のラストとなるボルベールはレディースデーの今日観るのに最適ともいえる映画でした。


物語は、蟠りをもったまま火事で母親を失ったライムンダ、ある日娘15歳の娘パウラと姉ソーレと母の墓参りの為にラマンチャを訪れていた。そして訪ねた叔母は足腰が弱く視力も落ちてきていて惚けていてソーレやパウラの存在も認識できない状態。叔母を心配するライムンダだったが叔母は心配ない一人で暮らしていけるといって聞かない。ライムンダは幼なじみであり叔母の隣人であるアグスティナに叔母の事を頼みラマンチャを後にする。
そしてマドリッドに戻り、ライムンダは無職で働こうともしない夫と娘のために日々仕事に励んでいたが、ある日家に戻ると、動揺した娘パウラと死体となった夫が待っていた。娘はレイプしようとしてきた夫から身を守るために自分の父親を殺してしまっていたのである。
ライムンダは娘を守るために 夫の死体を処分するために行動を始める。
そんな時に、叔母の訃報の電話がかかり、姉ソーレは、事情によりライムンダがマドリッドから離れられないため、一人で叔母の葬儀に出席する。
そこで、ソーレは過去に死んだ母の姿を目撃する。そして葬儀を終えマドリッドに帰り着いたときトランクには母が隠れていた。ソーレと母という不思議な同棲生活が始まる。
そしてライムンダが母と顔を合わせたとき、母の口から娘にどうしても伝えたかったという言葉をきき二人は長年抱えていた蟠りがほどけていく、、という内容。

脚本が良くできていて、基本的にどんな困難な状況においてもそれを受け入れ強くしなやかに生きていく女性を描いたヒューマンドラマなのですが、過去に何があったのか、そしてそれによってそれぞれの登場人物にどういう影響を与えたのかというがシッカリ表現されていることで、それぞれが自分の置かれた状況において行動していくことに説得力があり、死んだ母がそこでみんなの前に姿を現すという一見とんでもない状況も納得させられてしまい、受け入れてしまうんですよね。

赤をテーマカラーにしたヴィヴィットな色彩で彩られたアルモドバルらしいセンスのある映像も素晴らしいのですが、女優陣の演技が凄まじく、喜びと怒り、愛と哀しみ、と相反するような感情を同時に一つのシーンで表現しています。喜怒哀楽といったバラバラの感情が、常に一つの表情の中で混然と存在していて、泣きながらも喜びに震えていて、笑いながらも哀しみを抱え、一見あっけらかんと陽気な見た目にくらべ、内なるものが本当に深く、観ていて魅入られてしまいます。

出てくる女性すべてが魅力的なんですが、、特にペネロペ・クルスの存在感が秀逸の一言!
元々素晴らしい美貌の持ち主で、画面の中にいるだけで華が咲いたかのようなオーラを持った女優さんなんですが。ただ美しいだけでなく、とてつもない生命力をもっているんですよね。母であり、女であり、また母に救いを求める娘であり、強さ、弱さ、キツさ、優しさ合わせもったリアリストな生命力溢れる女性を熱演しています。

『オール・アバウト・マイ・マザー』では 清楚で母性に満ちたシスターを魅力的に演じていた彼女ですが、今回はよりむけた演技をしていたように感じました。


アルモドバル監督というと、どうもオオブタさんとの相性が悪く、どうも今までの作品どれも不評なのですが、、これは 今までの作品の中で最も娯楽性もあり、分かり易い内容だったかなと思います。
でも、、女性賛歌といった要素がストレートに出ているこの作品、、逆に言うと、、男性の存在感は薄すぎて、、男性が観るとやや情けない気持ちになる映画かもしれませんね。

でもコブタはかなり気に入ってしまいました。

広い意味での母の母性を描いた『オール・アバウト・マイ・マザー』、男性により偶像とも言える存在となっ女性の姿を描いた『トーク・トゥー・ハー』そして今度は様々な事をも守るべき者の為に乗り越えていく女の強さを描いた『ボルベール』、どれも素晴らしい作品ですが、三部作の中で一番好きな映画になりました。(『オール・アバウト・マイ・マザー』とどちらが好きかは、、きわどいところですが、、、)

ペネロペ・クルスの演技を観るだけでもこの映画は観る価値があると思います。

VOLVER

評価 ★★★★☆ kobuta

脚本 ペドロ・アルモドバル

出演 ペネロペ・クルス
カルメン・マウラ  
ロラ・ドゥエニャス
ブランカ・ポルティージョ
ヨアンナ・コボ
チュス・ランプレアベ

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この記事に対するコメント

となひょうさんへ

おお同じ日だったんですね!
コブタはいつものように川崎で鑑賞しました!

コブタはペネロペクルスは。ウーマン・オブ・トップのキュートさに惹かれ、、そしてオールアバウトの清楚なシスター姿に惚れてしまいました。
そして今回さらに、女優として深さを増してきましたよね!

今までの女性賛歌シリーズって、いままで死や失踪、昏睡によってどこか一方通行な愛情を描いていたのに比べ、今回はハッキリ人と人がぶつかりあって愛を深めていくところが本当に良かったです。そういう意味ではこの前向きな世界はシリーズで一番好きですね!

【2007/07/14 11:39】URL | コブタです~ #-[ 編集]

おおおおお~!

コブタさん、こんにちわー。
TB&コメントありがとうございました。どうやら、同じ日に見ていたようですね。コブタさんは、神奈川県の方だったのかな、私は有楽座でしたー。

ペネロペ、本当に素敵でしたよねぇー。
私は、現段階では今年のベスト・アクトレスに選出です。本家本元の『クィーン』のヘレン・ミレンももちろん素晴らしかったのですけど。ペネロペが、こんなに母性を放出できるなんて、正直言ってビックリしました。
アルモドバル作品としても『トーク・トゥ・ハー』より断然こちらが気に入りました。

【2007/07/13 20:51】URL | となひょう #-[ 編集]

二純さんへ

本当にこの作品 母親の存在感がまた秀逸でしたよね~
ホラー?ファンタジー?ミステリー?とも思わせる展開も面白かったですし、おっしゃるとおり「哀しくも可笑しい女たちの人生賛歌」を見事に作り上げていましたよね!

【2007/07/09 20:22】URL | コブタです~ #-[ 編集]

ゲイの監督とストレートの監督との母への思慕の差が、作品のタッチによく表れていたと。殺された夫を冷蔵庫詰めしたり、幽霊の母(?)が屁をこいたり、撮りようによってはホラーにもギャグものにもなる内容を、哀しくも可笑しい女たちの人生賛歌にもっていく手腕はさすがです。ぺネロぺの歌うタンゴの名曲「VOLVER」がグッと胸に沁みました。

【2007/07/05 03:14】URL | 二純 #-[ 編集]

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ボルベール < 帰郷 >

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