Date:2007/07/02 22:49
日曜日は映画の日ということで、三本映画みたのですが、最初に観たこのブリッジ。
なんとも心が痛くなる、観ていてかなり辛い映画でした。
人気観光スポットであり、同時に世界一の自殺の名所であるゴールデンゲートブリッジにおいて、自殺シーンに、自殺を目撃した人、自殺した人の親しかった人、自殺を失敗した人の証言を交えて構成したドキュメント作品。
実際の自殺のシーンと、自分では抱えきれぬ苦悩を背負って逝ってしまった者の事をそしてそれを止められなかった親しい人の言葉は心が痛くなるものがありました。
また同時に、現代の人間のなんとも病んで歪んでしまっている精神状態も垣間見たように感じました。
そして その証言の合間に出てくる、端の上で自殺を決意し最後の時を過ごしそして柵を越え飛びこんでいく人の映像と、水面に人がたたきつけられる水音と映像は一瞬息をするのを忘れてしまうほどの衝撃を受け手しまいました。
そして その水音が映画の中でする度に、自分の中の何かが壊れてしまうような感じがしました、
しかし、この映画自身が何をこの作品で、伝えたかったのかが解り辛い。
一つの自殺スポットを舞台に、自殺を失敗した人の言葉、自殺した人と親しかった人苦悩の言葉によって、自殺というものを考え抑止したいという意図だとは思いますが、逆に自殺を考えている人がみたら、ゴールデンゲートブリッジで自殺をしてみたいと思わせてしまう所もあるように感じました。
もう少し ゴールデンゲートブリッジの周辺のことを掘り下げて、自殺防止の為に、その地域ではどのような対策を講じているのか、また自殺を一番止めているであろう警察官の証言、遺体を水上保安官の証言など、そういったものもあったほうが、より広い視野でこの問題をみれたのではないのかなと思いました
それに、ゴールデンゲートブリッジに撮影し続け、自殺する人の撮影を行っていたということで、非難もかなり受けたようです。
たしかに、何故止めにいかなかったの?というのはコブタもチラリと思ってしまいました。
だったら、自殺しそうな人を止めて その人からインタビューをとるとかそういうアプローチの仕方もあったのではないのではなかったのでしょうか?
でも この作品によって、景観などを理由に防護ネットなどの対策をまったく講じてない市に避難が集中し、市としてどうブリッジでの自殺を防止するかを論じられるようになった事では意味はあったと思いますが、もう少し監督自身が突っ込んで映画の中で論じて欲しかった気もしました。

評価 つけるタイプの作品ではないです

監督 エリック・スティール


この記事に対するコメント
二純さんへ
問題提起とか、自己理論の表現って難しいものですよね。
私はコチラの作品、あまり教訓も強くいってなく、ただコメントを羅列しただけという感じがしてしまいました。
この映画を観て、ここで自殺したいと思う人も出てきそうですよね、、
そうですね。ただ自殺する風景を見せるのなら、その背景をもっと描いてほしかったですね。最初観た時は衝撃的ですが、教訓みたいなものはあっても救いのないのはやはり後味は悪いですね。本作を観て自殺が増えたらだれが責任を取るのでしょうか。