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●監督・ばんざい!(GLORY TO THE FILM MAKER!)

監督・ばんざい!(GLORY TO THE FILM MAKER!)悲しい事ですが 現在日本で絶滅の危機にある巨匠映画監督。
その残り少ない生存する日本人巨匠監督である 北野武監督の最新作「監督・ばんざい!」はやはり普通ではなかったです。

十八番のバイオレンス映画を二度と撮らないとうっかり宣言してしまった映画監督キタノタケシは、 ヒットを目指し、小津安二郎風の作品や不得手な恋愛映画、昭和30年の懐古物、ホラー映画、SF映画と様々な作品に挑戦するけれど、、ことごとく失敗してしまう、、という、北野武監督が キタノタケシという監督の役で様々な映画を作り続けるという、かなり突拍子なく面白い設定の映画です。

この映画自身の評価はかなり難しいですが、北野武監督がこの作品をこの段階で作ったということの意味は大きいと思いました。



北野監督の 映画に対する愛情と、映画に対する葛藤、またビートたけしとしての自分と巨匠と呼ばれる北野監督という世間が捕らえる二面性に対するジレンマといったもが強く表れていました。

人形のキタノタケシが大まじめに病院で健康診断を行っているシーンから始まる冒頭から、一気に観客を世界に引き入れてしまう手腕は流石です。

そして日本映画のオマージュと映画を取り巻く環境を揶揄した内容のシーンの数々は映画ファンには特にニヤリとさせてしまう面白さがあります。

また、様々な映画世界と狂乱した状況の中で、キタノタケシ監督とはりぼての人形キタノタケシ(は当たりませですが)は終始無表情、ぶっ飛んだ世界の中でその存在が笑わせながらも空虚感を与え、その二つの存在が無言ながら北野武の気持ちを代弁しているかのようにも感じました。

こちらの映画は北野武監督が、あえて北野映画ワールドを解体し、そして破壊することが目的で、始めから感動させようとか 傑作つくろうなんて微塵も思わず作っているように感じます。

だから 逆にこの映画の後、どんな作品を作ってくるかのほうが楽しみです。

くしくも同じコメディアンの松本人志が「映画を壊してやりました」と「大日本人」を公開したのと同じ時期にこの作品を北野武が作ったことにも面白さを感じてしまいました。

こちら同じシュールなギャグであるものの「大日本人」よりも分かり易く笑えるのですが、後半はベタ過ぎる笑いに飽きてくることと、井手らっきょの存在が煩すぎて醒めてきてしまう部分ががありましたが、しかし、0の状態で危機なり壊しにくる松本人志監督に比べ、既に築いたものがある人物が壊すという意味ではやはり北野武監督のほうがいろんな意味で上手だったといわざるえないでしょう。

万人には勧めることはできませんが、コブタは気に入りました。

監督ばんざい!評価 ★★★☆☆


監督 北野武
出演 ビートたけし
江守徹
岸本加世子
鈴木杏
吉行和子
宝田明
藤田弓子
内田有紀
木村佳乃
松坂慶子
大杉漣
寺島進
六平直政
渡辺哲
井手らっきょ
モロ師岡
菅田俊
石橋保
蝶野正洋
天山広吉

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この記事に対するコメント

二純さん 
こちのら作品 北野武監督の映画への愛にあふれていましたよね!
松ちゃんと 比べるというか、今回アプローチは違うものの、どちらもお笑い映画で、そして映画の概念を壊す形で映画をつくってきたので、そのタイミングもなかなか楽しいなと思ってしましました。
熟成された面白さと、これからどんどん化けていくのではという二つの才能を今回楽しめましたよね!


睦月さんへ
おかえりなさいませ!
旅行楽しそうでしたね(^^)
たけしの今回の映画のインタビューみてみも、一回世界や自分に対する評価をぶっ壊してリセットしたかったといった言葉を述べているんですよね!
それを実際してしまい、またそれを見ている人をも巻き込んで楽しませているのはさすがだと思いました。

松ちゃんの方も 面白いですが、
あれは映画といえるのか?というと難しいところで、松ちゃんによるパフォーマンスアートともいえる感じでした。
映画として、未熟な部分は多いのですが、松ちゃんななんともいえない世界感を楽しむそんな作品でした。

【2007/06/16 20:00】URL | 二純さん 睦月さんへ #-[ 編集]

こんにちわ!

コブタさん。
不在中にコメント&TBいただいておりましてありがとうございました。都合により、ウチへいただいていたコメントにお返事が出来ておりません。お許しくださいまし。

私、試写会で観ました。
たしかにね、万人向けの映画ではないけれど、私も決して悪くはなかったとおもうのですよ、この作品。

たしかに、らっきょはウザかったし、しつこかったですがね(爆笑)。

『大日本人』はまだ未見ですが、この作品と比較して観ている方が多いみたいですけど・・・問題外だと思うのですよ。北野監督のキャリアと、笑の天才と言われている監督素人の松本さんの作品を比較だなんて・・・ちょっとありえないと私は思ってしまう。

この時期にこういう作品を作った北野監督、大変意義のあることと私も思いました。今後の彼の作品がますます楽しみです。

【2007/06/15 08:48】URL | 睦月 #-[ 編集]

映画への愛をおバカな笑いで包んだエンタメ・ムービー。北野監督にはいい意味で毎回裏切られていて、そこが魅力なのですが、コブタさんがいう通り次はどんな作品を作ってくれるか楽しみですね。松っちゃんとよく比べられますが、私的には比べるレベルではないと思います。それは悪い意味じゃなく。2人とも独自の道を突き進んでもらいたいです。邦画好きの心をくすぐる仕掛けがとても良かったと思います。

【2007/06/14 20:53】URL | 二純 #-[ 編集]

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