コブタが大好きな監督クリストファー・ノーランが、大好きな俳優の一人クリスチャン・ベイルと再びタッグを組んだコチラの作品、、プレステージを観てきました!
二人の天才マジシャンによる、イリュージョンバトルという内容で、しかも「ラストを他の人に話さないで下さい」という注釈付きの物語というと、、物語自身のトリックに目が行きがちですが、この作品 やはりクリストファー・ノーラン監督の作品だけあって、人間を描いた物語です。
19世紀のイギリス派手なパフォーマンスを得意とする奇跡のダルトンことアンジャー、誰にも見破れないトリックを駆使するプロフェッサーこボーデンという二人のマジシャンがいた。
そんなある日瞬間移動マジックの最中、アンジャーはボーデンの目の前で不可解な水死をし、疑いの目がボーデンへと向けられ、ボーデンは死刑を求刑される、、。
その二人は、過去奇術師ミルトンの元で修行していたがその時の事故で、アシスタントをしていたアンジャーの妻ジュリアは水死事故がありその事が、深い禍根を残していた。
その事件をきっかけに、アンジャーはボーデンに対して激しい憎しみと執着心を覚え、ボーデンが自分より成功すること、素晴らしい舞台を作ること、幸せになることが許せず、卑劣な手を使ってまでも妨害をしていく。またボーデンも同様、そんなアンジャーへの妨害の手を仕掛けていく。
そして、二人の人生とマジシャンの姿をマジックの基本であるプレッジ「確認」、ターン「展開」、プレステージ「偉業」という3つの要素を交えてみせていくという物語。
この作品、マジシャンが主人公の物語ということで トリックとかマジックがメインと思われそうですが、実はそんなイリュージョンよりも凄まじい人間ドラマに圧倒される人のほうが多いのではないでしょうか?
普通予告編に「バットマンのクリスチャン・ベイル VS X―MENのヒュー・ジャックマン」と紹介されていても、競演という意味で本当に戦っていることって少ないものなんですが、、この作品においては、この二人が熾烈なまでにも容赦なく互いを傷つけていきます。
それも、イリュージョンでのバトルというより、相手への足の引っ張り合いという形で、、。
自分の名声と、自分の幸せを奪った相手に対する憎しみにのみ執着するアンジャー、マジックの為に人生の全てを欠け生きそれを妨害しようとするダルトンに憎しみの感情を募らせるボーデン二人の関係は息詰まるものがあり、たしかに見応えがありそんな激しい関係の二人の物語がどう展開しラストへ進んでいくのかというのをハラハラとしながら最後まで見入ってしまいます。
そして 最後いろんな意味での驚きのラストは、やや賛否は分かれるとは思いますが、クリスチャン・ベイルとヒュー・ジャックマン二人による人間ドラマはかなり見応えがありそれだけでも観る価値があると思います。
この作品 面白いことが面白いのですが、大きく気になる点が2点がコブタにはひっかかってしまいました。
まず1点は
プレッジ「確認」の部分がやや弱く、ジュリアの死が何故起こったのか、ボーデンの所為かが曖昧であること、そのことでアンジャーがボーデンを憎み執拗に妨害していくのは分かるとして、ただいなすのではなく同様に執拗にアンジャーを攻撃していくボーデンの行動がイマイチ理解できないということ。
手に致命的な怪我を負わされたことに対する復讐もあるのでしょうが、その場面でもあまりアンジャーへの呪詛の言葉もなく、アンジャー同様(アンジャーの方がよりストレートで酷いともいえますが)相手への容赦ない妨害や攻撃をしていくボーデンにやや違和感を感じてしまいました。
2点目は、
この作品のメインとなっている、瞬間移動のトリック。
コブタ自身けっこうマジック好きでトリックを知っていることと、かなり親切に伏線をはった映像もあり 一つのトリックは比較的早い段階で解ったものの、そのトリックが上手くこの物語のミステリー要素を盛り上げていることもあり納得はできたのですが、、。
もう一つのトリックが、あまりにも突拍子のない要素をもってこられたので、そこが物語の重さとか凄みをかなり軽減してしまったように思えました。
まあ、この作品 トリックがメインではなく 人間ドラマを楽しむので、そこはあまり気にすべきものではないといったら無いのですが、内心
(ネタバレなので 白で書きます)
「そんなSFな要素なんてやめて、前半に出てきた酔っぱらい役者をア
ナログに使えば良かったのでは!?」 と思ったのは私だけ??

評価 ★★★☆☆
監督 クリストファー・ノーラン
出演 ヒュー・ジャックマン
クリスチャン・ベイル
スカーレット・ヨハンソン
マイケル・ケイン
デヴィッド・ボウイ
パイパー・ペラーボ
アンディ・サーキス
レベッカ・ホール
エドワード・ヒバート
サマンサ・マハリン



この記事に対するコメント
隣の評論家さんへ
もう少し 二人の憎しみ以外の交流をみせてくれたら もっと盛り上がったのにと思いました。
でも、、でも、、憎しみって、、時として、愛しているのと変わらないことありますよね、、
いつでもどこでも気になって 頭から離れない、、そんな二人の姿が見応えありましたよね!
なるほどー
TB&コメントありがとうございます。
コブタさんの疑問点、何となくわかるような気がします。私も、結末部分にはそんなに楽しさを見出せず。あくまでも人間ドラマとして面白いと思いました。
最終的には憎しみ合っていた2人。憎しみの対象ではあっても、お互いにかけがえのない存在だったということを肝に銘じて欲しいな などと、男性の嫉妬心というものを改めて見せつけられた感じがします。
ジグソーさんへ
いきなり SF方面にいくのは、、あれ?違和感覚えてしまいますよね~。
>マジでヒュー・ジャックマンと見分けつかなくなりました!
あ、、、ジグゾーさん、、その方も、、ヒュー・ジャックマンさんです。
ターミネータ2のリンダ・ハミルトンは、双子の姉妹つかって同じようなシーン撮影していましたが、こおちらは、、合成ですよ(^▼^;
どうも!
非常に惜しい映画でした。
やっぱりあの機械はねぇ・・・
にしてもあの酔っ払いよく見つけてきましたよね!
マジでヒュー・ジャックマンと見分けつかなくなりました!
出人さんへ
うーん なんかコブタの言葉が足りないこともあって、評価が低めに解釈されてしまったようですが、こちらの作品 コブタの評価は悪くはないんですよ!
ただ、大好きな監督だけに期待も高め、求めるもも高めになるために、厳しい視点でみてしまうこともあるみたいですね~。
ただ ラストはやはりトリックで戦ってた二人だけに 正統派トリックで勝負してもらいたかったというのがあるんですよね~。
でも ラストは評価割れるでしょうね~
でも
うまく書けないけど、わたしは、コブタさんよりいい評価ですし、結末の白字白背景にされた部分は逆の意見(映画支持)です。しかし、ま、このことはあまり話せませんね。「誰にも言わないで」とお願いされてますから。
二純さんへ 出人さんへ
二純さんへ
やはり ノーラン監督そういう人間を描くのが上手いですよね~
また19世紀という、まだやや魔法やオカルトという存在やが信じられている時代だけに、こういう世界がいい感じになるのでしょうね~ただオチ弱いのが残念ですよね、、
出人さんへ
そう言ってくださると嬉しいです!
面白いだけに そこがもっと強ければ★の数も増えたのにとちょっと残念でした。
私も早速トラバにいかせてもらいますね!
みました
わたしも見ましたよ。ご指摘の2点と、円グラフは同意です。
トラバしますね。
この騙し合い、最後の最後まで勝負が見えない。2人の怨念の戦いが始まるのですが、途中で実在の科学者が発明した瞬間移動装置が登場して、物語は懐古調奇術映画とレトロモダン科学映画と混合合体に。でもオチはものすごく原始的。種々雑多の味が楽しめる推理映画でしたね。