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●バベル(BABEL)

バベル映画業界用語から生まれた 「ゴールデンウィーク」!!旅行もいいですが、映画を楽しむことから始めるのが 真のゴールデンウィークらしい過ごし方ともいえるかもしれませんね。
ということで 鑑賞したのが この「バベル(BABEL)!ゴールドの名にに相応しい作品でした。


モロッコでおきた、アメリカ観光客銃撃事件、それにとって、モロッコで暮らす遊牧民家族、モロッコを観光で訪れたアメリカ人夫婦、息子の結婚式に出席するためにメキシコへと里帰りするメキシコ人子守の、母親の死が陰を落とす聾唖の娘と父親の物語が動き出す、、
一見まったく関係ないと思われる様々な年齢と国籍と国と言語によってで広げられるこの物語、それらを結ぶのは一個のライフル。

生活の糧である山羊をジャッカルから守るために手に入れたライフル、それを使っていたのはモロッコの幼い兄弟。
要領よく自分より明らかに可愛がられている弟とそれに苛立ちを感んじる兄そんな苛立ちもあり、平原の中で行われた無邪気なライフルの腕試し比べがそこをたまたま通りがかった観光バスに当たる。
夫婦の関係を見つめ直すためにモロッコを訪れた夫婦、観光バスに乗っていたときに妻が銃撃され重傷を負った妻を救うためにガイドのすむ村を訪れるものの、言葉が通じず、獣医しかいない環境の中で妻に付き添いながらも苛立ちを募らせる夫。
雇い主である奥様が旅行中に銃撃されたためにもどれなくなり、しかも変わりの子守が見つからないことで、息子の結婚式にやむなく雇い主の子供二人を連れてメキシコへと度立つ子守。
事件に使われたライフルの元の所有者である人物の娘は、母親の死からも立ち直れず、また聾唖であることから疎外感が強く人との触れあいに飢えていた。

それぞれの登場人物、環境も抱えている問題も様々ですが、それぞれの物語に共通して起こるのは想いや感情を交わすことができないもどかしい感情。
それが親しい愛する人への感情であったり、たまたま人生においてすれ違った相手であったりと その対象は様々なんですが、言語の違いとかいう問題でなく、心がまったく通じ合えない、、、、とにかく観ていてもどかしくやるせない気持ちになってきます。

出てくる登場人物はすべて、その人種においては一般的なタイプ、悪人も一人もいなく誰もが日々の暮らしを楽しみたいと思い、家族を愛し、幸せになりたいと思っている人達ばかり。

「なにも悪いことはしてないの ただ愚かな事をしただけなの」という 子守アメリアの言葉にあるように。
それぞれが、悪意ではなく衝動で行った愚かなことにより 自分や愛する人を傷つけ そして深い痛みを抱えていくようすを、観客がただ見つめていることしかできず、観ていて切なくそして苛立たしい気持ちを募らせていってしまいます。


バラバラの国 バラバラの言語 バラバラの人種の人たちが世界の人たちとなんだかの繋がりをもって関わりをもちあっているという、繋がりあえない分かり合えないでも繋がったこの世界を構築させたアレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥの手腕も思わず唸ってしまうものがあります。

また、それぞれのエピソードを演じる役者さん、アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ監督作品らしく、主役級の役者陣ばかりにかかわらず一部での出番しかない状況、でもさすが名優ぞろいで、、映画の中で描かれているだけでなくそれぞれの過去をも表現しており、より深い世界感を作り出していました。

バベルこの作品で一躍有名となった菊池凜子さん、この映画の中ではかなり特異な存在で、他の人物がみなそういう状況下の中でまっとうな行動をしているのにくらべ、一人エキセントリックで突飛な行動の数々を繰り広げていきます。そこで 違和感を覚える人も多いかもしれません。
たしかに その行動の数々にひく部分もあるものの、コブタはこの菊池凜子さん演じるチエコって この映画のテーマそのものを表現しているという監督の意図を感じました。
日本エピソードは、アメリカ人観光客銃撃事件から一番離れた位置関係にあり、他の世界との直接的な関わりもなく、映画の中でやや特異な環境にある物語です。そしてこのチエコの世界ではアメリカ人観光客銃撃事件も単なる遠い世界の話として完全に第三者的立場で進行していきます。
日本で生まれ育ち同じ人種であるものの、聾唖というハンディのために他者から理解が低く、また自分の意志や想いを相手に伝えることが出来辛い状況。通じ合いたくても通じ合えず、他者と触れあいたくても触れ合えず、そいういった欲求が性的な形で行動をおこしていくチエコはやり過ぎともいう感んじはしますが、この作品の中でもっとも他者との心の繋がり 触れあいを求めていて、それをストレートに表に出し行動しているチエコのいる日本の物語で終わるのもそのためなのでしょうね。

なんにせよ、、深く、とにかく凄い作品だとしか言いようのない内容でした。

ただ、、、面白い~!とか 感動した~!とか 可哀想(><)とか 単純な感情で観れるものではなく、また物語の発端となるアメリカ人観光客銃撃事件自身は解決はみせるものの、それそれのエピソードは結果がはっきしたした形では見えない状態で終わる事、描かれている舞台がバラバラなだけではなくそれらが時間の前後関係もバラバラで展開する事もあり、この作品を堪能できる人をかなり選ぶ作品かもしれません。

ハリウッド大作を年に数本だけ見る人とかにはやや難解な部分があり、わけ分からないという人も少なくはないかと思います。
ある程度映画を見慣れている人にのみお勧めします!


アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ作品としては 「21g」の方がコブタ的には好きだったかなという感んじです。


バベル評価 ★★★★☆
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監督 アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ

出演 ブラッド・ピット
   ケイト・ブランシェット
   ガエル・ガルシア・ベルナル
   役所広司
   菊地凛子
   二階堂智
   アドリアナ・バラーザ
   エル・ファニング
   ネイサン・ギャンブル

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この記事に対するコメント

出人さんへ

あら>< 恥ずかしい 間違えていました。

有り難うございます!
時間ある時に なおしておかないと(><)

【2007/05/10 23:16】URL | コブタです~ #-[ 編集]

みました

やっと わたしもみました。

記事書きましたんでトラバさせてくださいね。ええと、「菊池」でなくて「菊地」と思いますけど、どう?

って、いっつもあげあしとりですみません~。

【2007/05/10 00:59】URL | 出人 #X.Av9vec[ 編集]

Eurekaさんへ さわっこさんへ

Eurekaさんへ
本当にこれは凄かったです。
最近期待して映画を見に行って ややガッカリということが多い中で 私もこれは期待以上でした!
アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ監督作品はこれが始めてでしたか、、今までの2作もどちらも素晴らしいですよ!是非ご覧になることをお勧めします!
しかし チカチカなんで日本人だけ問題になっているのかな、、 でもひょっとして日本で17人ということは 世界でもチカチカで気分悪くなっても よく分からない感じで流されていただけなのかしら??とも思ってしまいました。

さわっこさんへ
おおお さわっこさんも 観てこられたんですね~
いえいえいえ、、この作品の良さをまったく伝え着れてないことに ストレス感んじまくりです(><
素晴らしい作品に出会えたとき、自分のボキャブラリーのなさに 呆然とすることが多いです。

それにこの作品 バベルのテーマではないですが、作品のテーマを受け取りきらない人も結構いるような気もしてしまいました。
結局 この作品でも通じないのは 受け取り側が気付けず 受け取れてないという状況が作り出していることが多いですよね。

こういう映画をみて そういう感んじる力を養っていきたいですよね~

【2007/05/04 11:30】URL | コブタです~ #-[ 編集]

隣の評論家さんへ 睦月さんへ

隣の評論家さんへ 
アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ監督は 外れないですよね!
今までの3作品どれも素敵でどれが好きかって完全に好みで別れますよね~
壮大さを求めるならこの「バベル」命のドラマを求めるなら「21g」情感ある人間ドラマを求めるなら「アモーレスペロス」どれも捨てがたいんですよね~

これから どんな世界を作り上げていくのか楽しみな監督さんですよね~

睦月さんへ
やっぱり アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ監督は凄い!としかいいようがないですよね
 
次から 次へととんでもない映画を作ってこられます。(--;

チエコの行動、、監督の意図とかそういいった視点ではくみ取れたのですが、、しかし。、うーん コブタってそういった方面の行動って精神的にお子様なのか拒絶してしまう部分があったりするんですよね~(--;

やはり 睦月さんみたいに 成熟した大人だからこそ平常心で観られたのでしょうね~

【2007/05/04 11:16】URL | コブタです~ #-[ 編集]

おひさしぶりです!

バベル、良かったですね~
さわっこはなんだか最近前にもまして言語障害で全然感想が書けなかったですが、
コブタさんすごい読み解いて言葉にされててすごいです

これなんだかメディアに持ち上げられすぎて可哀想な作品ですよね。
おっしゃるとおり作品自体受け付けられない人が結構いそうな気がします。。。

【2007/05/03 00:37】URL | さわっこ #-[ 編集]

心の中のバベル

はじめまして。
この監督の作品は初めてみたのですが
見る前の予想を大きく裏切る
素晴らしい作品でした。
誰の心の中にもあるバベルの塔。
それを崩すのは「誰かに伝えたい想い」だと・・。
けどそれを引き替えに何かを失っている
この物語の登場人物達が哀しかったです。
それにしてもチカチカで痙攣おこさなくて良かったです。

【2007/04/30 00:21】URL | Eureka #-[ 編集]

傑作でした

TB&コメントありがとうございました!

言葉にすることが難しい・・・そんな1作でした。でも、傑作だというその衝撃だけはすごく心に残っています。

この際、ほかの人がどう思おうと関係ないやあとか思っています(笑)。
私にはチエコの行動が奇行には決して見えなかったし、物語の流れを観れば・・とても自然だったようにも思っています。

アレハンドロ監督はホントに素晴らしいですね。この作品で過去作品で描いてきたテーマが昇華されたようにも思います。

【2007/04/29 21:32】URL | 睦月 #-[ 編集]

TB&コメントどうもです

コブタさん、こんにちわ。
かなり話題になっていますけど、映画はたまにしか見ない人にしたら、難解で困ってしまう作品かもしれませんね。ストーリーの流れが入り組むところとか、ダメな人はダメかもしれませんね。
私も、イニャリトゥ監督作品としては『21g』の方が印象深いかな。あれも何だか暗い作品でしたよね。でも、よく覚えています。
『アモーレス・ペロス』も好きです。一番好きかも。
まだ長編は3作目というところが凄いですよね。今後にも期待したいと思ってます。

【2007/04/29 21:15】URL | 隣の評論家 #-[ 編集]

ジグソーさんへ motti さんへ

ジグソーさんへ 
あの チエコの行動はかなり問題になっていますね~(^^;

コブタも オイオイ(^^; と思ってしまいましたもの、、、

motti さんへ
こちらこそ コメントありがとうございます!
いや~チエコの行動はコブタもかなりひきましたよ~(^^;
オオブタさんは あそこの部分がかなりひっかってしまったみたいです。

ここの部分をどう観れるかで、この映画の評価も変わりそうですよね、、

【2007/04/29 11:08】URL | コブタです~ #-[ 編集]

TB,コメントありがとうございました♪

「なにも悪いことはしてないの ただ愚かな事をしただけなの」ってセリフは唯一この映画の核心をセリフで説明してくれるところですよね。
他はセリフではなく言葉で説明できない感情のゆれ具合で見せてくれます。
本当にすごい映画でしたね。
チエコの行動の部分が理解不能という意見も世間ではあるみたいですが(コブタさんは肯定的でうれしいです♪)それも含めてわかったような気持ちになって観てくれなくともいい部分なのかも。
そもそも分かり合えないのは悲しい...という映画なのだから(違)

【2007/04/29 07:43】URL | motti #-[ 編集]

どうも!

テーマ的には本当に素晴らしい映画ですね。
キャラも良かったですし。

ただ日本編はチエコのキャラがねぇ・・・
僕はこの円グラフで言えばエロエロ魔人が緑の部分を占めます(笑)

でもそれぞれの話が60パーセントくらいの所で終わったのは意外でした。
後々考えると結構その方がいいかもと思いました。

【2007/04/29 03:21】URL | ジグソー #-[ 編集]

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