Date:2007/03/20 20:07
HDにストックされていたこちらの作品を鑑賞しました。
ジャンル説明は近未来バーチャル・ロマンティック・ムービーとなっていますが、描かれている内容はひどく現代的で、ほろ可笑しく切ない映画でした。フランス映画ならではの美学を感んじる作品でした。
広場恐怖症のため 8年間家から一歩も出ず、誰とも会わずに過ごしているトマ(ブノワ・ヴェレール)は、コンピューター管理された部屋に住みTV電話のみが世間との接点という生活ながら、バーチャルゲームに興じだりと彼なりに楽しく生活をしていた。。
そんなある日、トマを治療管理している保険会社グローバル社が治療方針を変更を提案してきます。
それは、彼の承諾なしに、流行の出会い系クラブ「ハートクラブ」と、治療を目的とした障害者専門の娼婦派遣依頼の登録をしてします。
それによって、トマのもとに多数の女の子からTV電話がくるようになり、彼は戸惑いながらも、広場恐怖症であることを受け入れてくれたメロディ(マガリ・パンロー)との電話ごしの交流を深めていく、そして同時に憂いを秘めた娼婦のエヴァ(エラン・ヤイ)に惹かれていくが、彼の中で何かが芽生えていく、という内容で、面白いことにトマは映像としては登場せずの彼視野のみで構成され、サイバーチックな格好をした登場人物と映像により映画というよりシュミレーションゲームをしているような感覚でみていく感じになっています。
トマの部屋自身はまったく映像としては出てこないのですが、暖かくもなく寒くもなく快適であるものの満たされない空間という空気感が非常に良く出ていて、人とTV電話ごしで会話しているものの相手の体温を感じられないそんな距離感などの表現が面白かったです。
可愛く無邪気でまっすなな想いでトマへ近づこうとするメロディー、涙を流しながら現れ心を掻き乱していくエヴァ、その二人とのTV電話ごしの交流が進むうちに、痛み悲しみのなかったトマの世界に感情現れていく様子はなんとも切ない気持ちにされてしまいます。
8年間他者との接触を断っているトマって、特殊な人物のように思うかもしれないですが、弱くて優しいゆえに精神的に壁を作ってしまったりする人は結構多いのではないでしょうか?
コブタも、社交的ではなく人との衝突というのを出来る限り避けてしまう所があるだけに、トマの気持ちってなんかわかるんですよね。
だからこそ、彼の心の声に突き動かされ、最後必死に行動する彼の姿をみて、ホロリと泣きそうになってしまいました。
この作品、全体的に抽象的、そして結末が曖昧ということで、好きか嫌いかがハッキリ分かれると思いますが、コブタは好きでした。
評価 ★★★☆☆

監督 ピエール・ポール・ランデル
出演 ブノワ・ヴェレール
エラン・ヤイ
マガリ・パンロー
ミシュリーヌ・アルディー
アレクサンドル・ヴォン・シヴェール
トマ@トマ | |
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