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●パフューム ある人殺しの物語(Perfume The Story Of A Murderer)

パヒュームチネチッタが4年連続観客動員数日本1を記念して、本日の入場料を1000円になるということで、こちらの「パフューム」と「ゴーストライダー」の2本を鑑賞してきました。

この作品、チラシなどではあまり興味をもたなかったのですが、、予告編をみてその映像の凄まじさに惹かれての鑑賞でした。
通常映画館を出て直後にオオブタさんと一言で映画に対する感想を言い合うものなんですが、この噎せ返るような芳香と、臭気に満ちたこの映画、どう言い表せばいいのか分からず結局黙ったまま劇場を出てしまった作品です。



こちらはパトリック・シュースキントによって書かれたベストセラー小説原作の映画で、超人的な嗅覚と香りに対する美意識をもったジャン=バティスト・グルヌイユは、蛆と悪臭に満ちた魚市場の魚の腑の上に産み落とされる。悪臭の中で生きてきたグルヌイユはある日パリの街中にいき彼を虜にするほどの素晴らしい香りに出会う。彼はその香りを再現するために調香師ジュッセベ・バルディーニのもとに弟子入りし香水について学び、究極の天国の香りをつくるべく行動を移していくという物語、、なのですがこの映画の凄いところは、映画では最も表現できない香りといった要素によって構成された幻想的な内容を見事に映像化しているところです。
芳醇な果物 咲き乱れる花の香りから、生物によって生み出される悪臭といったありとあらゆる香りを映像によって濃厚に漂ってきて、観客は時にはうっとりと 時にはげんなりとその香りの中に身委ねることになってしまいます。

この映画、タイトルからも分かるとおり香りを追求した男が、材料として女性を次々殺害していくという物語でその猟期的な内容が衝撃を与えるかのように思われがちなんですが、一番の衝撃は、、そういった猟奇的な犯罪が主人公グルヌイユの負の感情からではなく、無の感情で行われていることにあるように感じます。
グルヌイユにとって世界を構築している要素が香りのみであり、香りでのみ物を判断する彼にとって、他者を人として愛するとか憎むとかいった感情がまったくない。
体臭のまったくないグルヌイユ、このムンムンとした香りに満ちた映画の中で無の存在であるグルヌイユにあるのは、究極の香りを作りだし手に入れたいという目的だけ。その行動も情熱によってというのではなく グルヌイユ無心に淡々とそして着実に作業を進めていくんですよね。

だからこそ クライマックス、誰もがグルヌイユによって作り出された香りに感嘆しひれ伏し、愛に導かれていくのに、その香りを作り出した彼自身は激しく心を動かされることもなくその情景を眺めているだけ。
人並み外れた能力と 人としてあまりにもかけてしまった感情 彼のその「無」の存在としてのあり方に怖さを感じてしまいました。
そして善とか悪とかそういった感覚すら超越してしまう、処刑場のシーンに圧倒されてしまいます。

悪意とか憎悪といった感情で行われる、猟奇のほうがまだ理解でき、そこに何だかの生物的なドロドロとした生暖かい熱を感んじるのですが、この映画ムンムンとした芳香に満ちた猟奇殺人を描いているものの、潤い寒さ熱さといった生き物らしい感触が感じられず、異様な物をみた静かな恐怖をあじわえます。

映像も脚本も凄まじい凄い映画で衝撃作ではあるものの、「面白い!」とか「感動した」とか「興奮した!」とか「映像最高に綺麗だったね~」といった言葉で片付けられる作品ではないです。

かなり官能的で変態チックな内容なのに、主人公グルヌイユに性的な要素が抜け落ちていることでやらしさというのもかなり低く、それを期待していくとややガッカリしますが、この映画の噎せ返るような残り香と無機質な硝子瓶のような触感が残るそんな感覚は是非味わってもらいたいな~と思います。

評価 ★★★★☆ kobuta

監督 トム・ティクヴァ

出演 ベン・ウィショー
    ダスティン・ホフマン
    アラン・リックマン

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香水―ある人殺しの物語
香水―ある人殺しの物語パトリック ジュースキント Patrick S¨uskind 池内 紀

おすすめ平均
stars最高傑作か、超駄作か。
stars尋常ならざる傑作
stars天才と狂人
starsやはり好きです
stars匂いはメディアに取り残された最後の世界?

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この記事に対するコメント

ノラネコさんへ

ラスト付近の展開はかなり評価を割らせてしまいますよね!
衝撃をうけ圧倒された映画なんですけどここまで感動とか、内からわき起こってくる感情がなかった作品も珍しいです。

トム・ティクヴァ 監督の非凡さを感んじる作品ですよね。

【2007/04/06 12:19】URL | コブタです #-[ 編集]

こんばんは

トータルでは微妙な感想の映画でしたが、前半の香りに纏わる物語は圧巻でした。
評価は別れる作品だと思いますが、独創性は高く評価したいですね。

【2007/04/06 02:11】URL | ノラネコ #xHucOE.I[ 編集]

mottiさんへ

これは 久しぶりに凄い映画をみた!!という手応えを感んじる作品でしたよね!
その 変態っぽさを どの程度表面に出すかは 監督のさじ加減で難しい問題ですよね~

そこを濃くすると さらにダークファンタジーさを強くなったのかもしれませんね~それはそれで観てみたい感じですね(^^)

【2007/03/14 22:43】URL | コブタです #-[ 編集]

これ、見てきました!
まだ僕のブログでは書いていないのですが、どうにも傑作でしたね!!
クライマックスは、「ありえへん!」(関西人ではないけれど)とか思って笑いそうになっちゃったんですけど、あまりにも「マジ」な壮健さに、芸術的芳香漂う感覚に昇華いたしました!
欲を言うならもっと変態っぽく作って、観ている観客をそっちの雰囲気へ突き落しておいてクライマックスに観客もろとも愚かさをあざ笑うがごとく神々しく...なんていったら超傑作になったかも!
でも雰囲気は見事でした!お気に入り映画になりましたよコレ♪

【2007/03/14 14:30】URL | motti #-[ 編集]

シャーロットさんへ

お久しぶりです!
この映画本当に 凄かったですよね!
主人公、原作は観にくい男だとか、かなり違った面もあるようですね。
原作もすごく気になり、読みたくなってしまいました。

でも映像化にともない、そういった主人公の感情を抑えて異質さを出すなど、監督のうまさを感じさせますよね!

【2007/03/09 10:19】URL | コブタです #-[ 編集]

NoTitle

こんばんは。
ちょっとご無沙汰してました。
そうそう、無機質さがとっても不気味。
でも色んな固体、例えば金物だって匂いがあるのにグルヌイユには何もない…っていうのはやはり「無」というか存在価値さえもないに等しいのかもしれませんね。そういう匂いというものと人の本質や深層心理にむけた着眼点がとても斬新でした。
処刑場ラストでの彼の無表情さがいっそう奇妙。
この部分、原作ではもう少し彼には感情があるようでしたよ。機会があったら原作もぜひどうぞ。


【2007/03/08 23:54】URL | シャーロット #gM6YF5sA[ 編集]

ジグソーさんへ 睦月さんへ ウルフガーさんへ

ジグソーさんへ
本当に表現しにくい映画ですよね!
普通エンディング中 すぐ立って劇場を出る人が多いのに、この映画ってあまり立つ人いなかったんですよね~
みんな 気持ちをもてあましていたのでしょうかね、、。
いろんな意味で超越してしまっていた映画でした。


睦月さんへ
すっごい 映画でしたよね~(><)
コブタ 年間ベスト10にも入ること間違いなしです!
予告編の映像だけでも美しいと思ったのですが、本編はそんなもんじゃなかたったですね。
噎せ返るとうな香りに満ちた映像に思う存分酔うべし!という感じなのでしょうね。


ウルフガーさんへ
コメントありがとうございます!
この作品 記事かく際にかなり悩んだだけに そう言っていただいて嬉しいです。
おっしゃるとおり 一歩引いた表現することによって、観客はより冷静に世界を観察し、そして魅入られるそんな感じでしたよね。
ランローラランの時もそうでしたが、見終わったあと映画に感動という爆した感情を抱くのではないのに、凄い心に深く残るんですよね。
そこが この監督の 非凡さなのでしょうね~

【2007/03/08 14:12】URL | コブタです #-[ 編集]

はじめまして

パフュームの丁寧な解説とレビューに感銘を受けまして、思わずトラックバックさせていただきました。

この映画、確かに濃密な人間ドラマというより、理屈が先に立ってしまって観察レポートのような味気なさがあると思います。この原作ならいくらでも官能的にできたと思うのですが。

これは主人公の特異性だけの問題ではなく、「ラン・ローラ・ラン」の時もそうだったのですが、トム・ティクヴァ監督の人物から一歩引いて距離を取る(もっと言うとシニカルな)演出スタイルが原因なのかも知れません。

何やら小難しいことを書いてしまいましたが、よろしくお願いします。

【2007/03/08 09:49】URL | ウルフガー #-[ 編集]

こんにちわ!

今年のベスト10に入ってしまいそうな気配の作品です。
かなり久々に、気持ちにビシビシくるような衝撃を受けた作品でした。ハマっちゃいましたよ(笑)。

変態要素というよりも、かなり高尚な芸術品という印象が強くて、大変満足できた映画です。観る方によっては相当に受け捉え方も違うと思いますが、ほかの方々がどのように感じたのか、レビューを読むのも楽しいです(笑)。

【2007/03/06 08:47】URL | 睦月 #-[ 編集]

どうも!

>どう言い表せばいいのか分からず結局黙ったまま劇場を出てしまった作品です。
>「面白い!」とか「感動した」とか「興奮した!」とか「映像最高に綺麗だったね~」といった言葉で片付けられる作品ではないです。

本当にそうですね。
こういう映画って一番感想書きにくいので、映画ブロガーにとっては苦ですね(苦笑)
見終わった後も劇場内はシーンとしてました。

でも一言で言っちゃえば【匂いフェチ変態映画】なんですけどねぇ~

【2007/03/06 01:23】URL | ジグソー #-[ 編集]

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