
一ヶ月フリーパス 早速活用せんと本日 「敬愛なるベートーヴェン」とこちらの「王の男」を観てきました。
それぞれ 違った意味での愛の物語を存分に楽しむ事が出来ました。
「それより奥は、見てはならない。 今、実在の宮廷を揺るがした究極の愛憎劇が幕を開ける――」とかという「韓国で4人に一人が観た」とかいう宣伝文句のため、最近そういった煽りの言葉に裏切られ続けていたこともあり、逆に興味がわかなかったのですが、、観てみるとなかなか凄い映画でした。
「16世紀初頭、史上最悪の暴君として今も語り継がれる実在の王、燕山君(ヨンサングン)の時代、王と愛妾ノクスを皮肉った劇で一躍町で人気者になったチャンセンとコンギル。しかしその事が王の重臣に知られ、死刑寸前のところまでいってしまいます。苦し紛れに重臣たちにチャンセンは「王が自分たちの芸を笑えば、王を愚弄したことにならぬ!」と持ちかけ王の前で劇をすることとなる。王の前と状況に圧倒されしどろもどろになる劇団員たちと演じる劇が王を笑わせることも出来るはずもなく、あたりは重苦しい空気だけが流れる。そんな中即興でやったチャンセンとコンギルの下ネタ的な劇に王は大爆笑!一座は死刑を免れ王宮専属の芸人となるが、芸人たちを良いと思わない伝統を重んずる側近たちと王との軋轢を生み始める。また芸人たちが演じる劇は、宮廷内の暗部を皮肉ったものが多く、劇をするたびに王は喜ぶものの、その劇によって浮きだしにされた疚しさを抱えた人の死を招いていく。王はそのうち美しい女形であるコンギルを厚く扱うようになり、美しい絹の衣装や官位までも与え、自分の私室にコンギルを招き入れる。それを面白いとは思えないチャンセンと王に翻弄されるコンギルとの間もギクシャクとしたものになっていく、、、そして3人は彼らに関わっている人物の運命をも巻き込んで思わぬ方向へと進んでいく
という物語で、「宮廷内で繰り広げられる愛憎劇」というと、かなり淫靡な香りがするのですが描かれている愛って、それぞれが純粋なゆえ激しいものなんですよね。
この物語の核となっている三者がそれぞれ、凄いオーラーと存在感をもっていてそれだけに、三者の間へ繰り広げるドラマが生きています。
芸に生き、相方であるコンギルの笑顔と観客の笑いだけを求めて生きているチャンセン、深い孤独と悲しみと憎悪を内に秘めた王、清楚さと色気に満ちた美しさをもつコンギル、この三者がどういう方向へいってしまうのかを、固唾をのんで見守り続けてしまいます。
この物語 ずっとコンギルを見守り続けたチャンセンの視点で見るか、孤独の中に生き、笑いの中に救いを求め激情のままに暴走する王の視点で見るかで若干物語が変わっていくと思いますが、コブタは確固たる価値観をもって生きているチャンセンよりも、満面の笑顔の時も怒りに満ちた表情の時もその奥に涙を感じさせる王の行動により魅せられてしまいました。
あまりにも真っ直ぐな意志でコンギルを思うるカム・ウソン演じチャンセンの男気溢れる行動と、芸人やコンギルの前でだけ子供のような笑顔を見せ自分の感情をももてあましていくチョン・ジニョン演じる王の演技が特に素晴らしく、その二人が作り出す緊迫感の中にイ・ジュンギ演じるコンギルが見事華を添えています。
チャンセンと王それぞれが、自分が真の求めているもとをコンギルを通して見つめいて、決して性的な意味ではありません。
その想いや執着が恋愛とかいうありきたいのものから発したものでないだけに、愛妾ノクスもコンギルに敵わない、誰にも止めることができないだけに、、ラストああいう方向へ世界がいってしまうのは仕方がないのでしょうね。
最後の、王もコンギルもチャンセン3人のはじけるような笑顔で終わるのですが、、観ている観客も笑顔になるわけでなく、ある人は涙を流しつつ ある人は放心状態で ハァとため息をついてしまうそんな状況でした。
こちらの作品 韓国のブローク・バック・マウンテンと言われているようですが、コブタ的には あちらみるより、コチラを観た方が断然お得だと思います!
監督 イ・ジュンイク
出演 カム・ウソン
イ・ジュンギ
チョン・ジニョン
カン・ソンヨン
評価 ★★★★☆



