Date:2006/10/08 16:45
今日は「ワールド・トレード・センター」と「ザ・センチネル 陰謀の星条旗」を観てきました。
この映画は「ユナイテッド93」と同時期に9.11を描いた作品の登場でかなり物議を醸し出した作品です。
まだ記憶に生々しいこの時期に制作することの意味を ユナイテッド93とはまったく違った視点と意図でオリバー・ストーン監督が撮影した作品です。
こちらも 90%真実の内容ということで「生存者の体験を元」に作られた映画で
あの 9.11の日、人命救助のためにワールド・トレード・センターに突入しビルが崩壊し生き埋めになったが、奇跡的に生還できた警察官二人の物語です。
あえて政治的な部分は描かず、家族愛、人の善意の心を描こうとしたようです。
生き埋めになり、絶望しながらも二人で言葉を掛け合い支え合う二人の警察官の苛酷な状況と、死を覚悟しながらも受け入れずにいる家族、そしてああいう状況下で人命救助の為に奔走した消防署員、警察官、海兵隊などの行動を中心に感動的に進んでいくのですが、オリバー・ストーン監督にしては衝撃の少ない作品になってしまったように感じました。
一つは、今回の作品生存者の取材の元に作られて、出てくる人名もすべて実在の人物ということで、その人たちに敬意を払いすぎたためにあまり踏み込んだ描写が出来ず、どこかリアルさに欠けてしまった事
そして、監督が観客に色々伝えようとした結果 散漫になってしまった。
また 90%真実ということで残りの事実とは異なっている10%の部分に会話の内容があるのですが、それらが各人物の人となりを観客に伝えるために説明的な物になっていたり、展開をスムーズにするために思わせぶりな言葉にしてあったりということがあり、この事件が真実の事件と分かっているだけにその映画的意図にやや引っかかりを覚えてしまいまった事
それらによって 世界に入り込むことが出来ませんでした。
また 二人は助かった、でも一緒に突入した警官達はみな 死亡。
それだけでなく、あの事件によって亡くなられた人があまりにも多すぎることで、それによって映画の中で二人が助かったことは素直に嬉しいし感動できるのですが、その他の犠牲になった人のことを考えるとその事態の重さに呆然としてしまうんですよね。
9.11映画 「ユナイテッド93」 と 「ワールド・トレード・センター」比べてしまうと どうしても、「ユナイテッド93」のほうが凄い映画で、こちらは出来は悪くはないのものの9.11を描いたハリウッドらしい映画と言わざるえないかもしれません。
今 あの9.11 が何だったのかをキチンと考えないといけない時期には来ているのでしょうね。
評価 ★★★☆☆
監督: オリヴァー・ストーン
出演: ニコラス・ケイジ
マイケル・ペーニャ
マギー・ギレンホール
マリア・ベロ
スティーヴン・ドーフ
ジェイ・ヘルナンデス
マイケル・シャノン
こちらの映画 一瞬ではありますが 本物のジョン・マクローリン氏 と ウィル・ヒメノ氏がカメオで出演しています。
意外な程 ニコラス・ケイジとマイケル・べーニャと似ている姿を確認するのもいいかもしれません。
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こちらは 昔観た ドキュメント映画なのですが、あの日たまたま消防署のドキュメント映画を撮影するために、とある消防署に密着取材していたカメラマン兄弟の作品です。
消防署員と共に ビルに入り現場を間近で目撃した記録です。
この映画の中で聞こえる「ドーン」という何かが落ちる音の意味、、これ観るとなんとも言えなくなります。
機会があれば コチラもご覧になってみてください。


この記事に対するコメント
チャラノリさんへ aiさんへ
チャラノリさんへ
あらら 大丈夫ですか??(TT)
この映画ね 主人公二人が生き埋めになっているシーンが大半をしめているので、、息苦しさを感じるところもあるので元気な状態でみるべきですよ~(><)
誕生日ですが 昨日無事むかえました~
ありがとうございます!
何歳になったの?とは聞かないでね~(^^)
aiさんへ
やはり、、ユナイテッド93の方を 人にはお勧めしますよね!
なんか 現実の事件は悲惨すぎただけに、、このワールド・トレード・センター引っかかる部分もちょっとあったんですよね、、監督の意図が深く伝わってこない感じでしたし、、。
おお 私も「16ブロック」行きたいな~と思っています。
今週末、、それにするか、、迷っているところです(^^)
まだ未見ですが
重いテーマなだけに、感動を前面に押し出してしまうとどうしてもエンターテイメント的になってしまい真実と思ってみても軽くなってしまうのでしょう。それが一般受けするという興行的な面で作られてしまう悲しさでしょうか。
「ユナイテッド93」は事実を客観的に、そして写実的に表現した事でずっしりとした作品になっていましたよね。
軍配は「ユナイテッド93」と言ったところでしょうか。
ところで15日、ワーナーマイカルでキャンペーンがありますね(^-^)、きっとコブタさんも行かれるので?と思っているのですが、あたしもこのチャンスに絶対行くことにしてまして、この「ワールド・トレードセンター」と「16ブロック」とどっちを観ようか悩んでいたんですが「16ブロック」を観賞する事にしました!
我慢の子(笑)
コレ、昨日のレディースディーに観に行こうと思ってたんだけど、連休中に風邪をひき、昨日行くことができませんでした(悲)
なもんで、コブタさんの感想を読まないよう、今、歯をくいしばってるとこです(笑)
そういえば、お誕生日は過ぎちゃったのかなぁ???
虎丸さんへ mottiさんへ
虎丸さんへ
何故この事件が起きたのかというのがほとんど 論じられることなく、イラクへの進撃をしたアメリカの対応、考えさせられてしまいますよね。
なんか、人を愛し、そして対話するそういう単純な事が一番忘れられてしまっているような気がします。
悲しいですよね。
mottiさんへ
そうですよね~
予告編から そんな映画になるのはなんとなく予測はしていたのですが、やはりなんともすっきりしない物となってしまいましたよね。
オリヴァー・ストーン 監督ならば、何か新しい視点で見せてくれるのでは?とも思っていたのですが、、ユナイテッド93のほうがやはり出来がいいとしかいいようがないですよね~
NoTitle
今日見てきました。
僕も概ねコブタさんと同じような感想です。
911映画ではユナイテッド93に軍配ですね。
あまりにもWTCは普通のパニック映画に見えてしまうし。もしかしたら政治的なメッセージを込めることを意図的に避けて儚い人間の命の灯火を描きたかったんでしょうね。
もちろん2千何百人も亡くなっててたった2人の救出劇に本当に感動できた事実があって、その感動を素直に映画にしたかったんだと思います。
結果的にぶきっちょな映画になってしまった...。
その点、かっこよくクールに仕上げてしまったユナイテッド93はズルイのかもしれませんよ。
NoTitle
あれから5年たつというのに、体の不調、心の病に苦しむ人達はアメリカ国内では大勢います。ビル崩壊で犠牲になった人の家族、救助活動して有害物質を吸い体調を崩し仕事を奪われた人、アフガニスタン、イラクヘ行き殺したくない人を殺しセラピストなしでは生きられない元軍人。これらの人たちのケアより社会支配のため予算をつぎこむ軍事大国アメリカ。知っていると思いますがテロリストの自爆行為に見せかけていた9・11の疑惑。今、世界に広まりつつあります。メディアに流されることのない真実と命の尊さをしっかり見つめて生きたい。そう思わずにはいられない今日この頃です。
隣の評論家 さんへ ジグゾーさんへ
隣の評論家 さんへ
オリバー・ストーンなだけにもっと どこか踏み込んだものを期待しただけに、ややガッカリでしたよね、、
ユナイテッド93の出来を考えると こちらはどうもいろんな意味で甘さを感じてしまいますよね。。
背景気づいてもらえましたか(^^)!
内容は代わり映えしないので せめて季節感だけでも出していこうかなとこんなの作りました(^^)
ジグゾーさんへ
題材が題材だけに もっと踏み込んだものを期待してしまうだけに、この映画はふつうなところがややガッカリしてしまうところですよね。
コブタはユナイテッド93や 記事にもあるドキュメントなどをみていただけに この作品にリアルさがどこか欠けてみえてしまいました、、
NoTitle
どうも!
そうですねぇリアリティは「ユナイテッド93」が凄すぎましたからねぇ。
何だか後半は普通の映画になってたかもしれないですねぇ。
でもニュースでは見れないタワー内部からの崩壊のアングルは怖かった!
やっぱり。
コブタさん、TB&コメントをどうもでしたー。
そうなんですねー、何か力不足と言うか...
『ユナイテッド93』のインパクトには及ばない印象でしたね。先日『セプテンバー・テープ』を観た私にとっては、『ワールド・トレード・センター』は余りにも力不足。実際に犠牲になった方への哀悼はあるのですが、1本の映画として捉えるとなると、本作は心に残らないという辛い感想になってしまいましてん。
ハロウィーンに向けて、背景を変えたんですね!カワイイ~♪♪♪