Date:2006/09/12 13:41
けっこう おじさまたちの熱い支持を得て、評判の高かったこちらの作品を鑑賞しました。
国レベルではなく 個々の日本人にとって太平洋戦争とはなんだったのかを問うた、真面目ないい映画だったと思います。また実物大の大和のセットを山中に制作し(そのためあまり引いたショットが撮れず、船の部分部分の撮影が多く、巨大さを微妙に感じれないのは残念でした)、迫力ある戦闘をえがきリアルに戦争のむごさを描き、太平洋戦争を忘れつつある日本人にとっても意味のある作品だとは思います。
ただ、見せ方がやや下手な上ベタすぎるところが、もったいなかったようにも感じる作品でした。
戦艦大和を中心に 大和に新兵として乗り込んだ10代の若者を中心に、彼らが尊敬する上官3人、そして兵士をめぐる家族や恋人といった物語を、年老いた大和の元乗組員だった漁師・神尾が、尊敬する上官の娘である内田真貴と少年に話聞かせるというストーリーなのですが、現在の話 そして 過去は若者の話 班長の物語、そして軍上層部の話 と色々盛り込もうとして散漫になってしまった感じがしました。
戦争を知らない世代へみせるためもあるのでしょうが、歴史的背景を観客を説明させるために、当時の映像を交えてドキュメントタッチとなる部分と、ストーリー部分のトーンが合わず、そこもちぐはぐな印象をうけてしまいました。
戦艦大和に乗り戦い、仲間の死をマザマザと見せ付けられながら生き残った二人の元兵士それぞれの直接描かれないけど映画を通して浮かび上がってくるその後の生き様、そしてあの戦争で死んでいった人の存在、生き残った意味というのを一生懸命描いているとは思うのですが、意図が強くストレートに伝わってこないんですよね。
役者も 若手、中堅 老練それぞれが、いい演技をして頑張っていましたし、それぞれが織りなすエピソードも良かったです、ただ個人的に鈴木京香役の内田真貴の存在が鼻についてしまました。
鈴木京香さんが悪いというのではなくて脚本や演出の問題だと思うのですが、過去パートの戦争をまざまざ体験している人たち、そしてそれらを体験し現在も生きる神尾船長、戦災孤児として間接的に戦争を体験した内田真貴、そして戦争をまったく知らない少年というそれぞれの世代にとっての太平洋戦争を描たつもりなのだとは思います。
ラストすべての話を聞いてショックをうけ何かを感じ入っている様子の少年にくらべ、訳知り顔で神尾を見つめる内田真貴の存在なんか違和感を感じてしまいました。父親に静かに話しかけ、神尾に対して「ありがとうございました、父を無事ここに帰すことができました」と深々と頭下げる それくらいの表現でよかったように思います。
もう少し 脚本を練ればもっといい作品になっていたようにも感じるだけにすごく惜しい感じがしました。
評価 ★★★☆☆


男たちの大和 / YAMATO | |
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この記事に対するコメント
aiさんへ
たしかに 邦画があざといくらいの 制作者の意図が見え見えなものが多いですよね。
この作品は、そういう中では 戦争を体験してきた世代に 戦争をしらない世代に戦争とは?を問いかけたい!という使命感ともいえる意志は感んじるます。
こちらの作品は見え見えというよりかは、効果的にてきてないという感じがしてしまいました。
戦時中でも 海軍で中堅と新兵、親と子供 現在でも戦争体験者と被体験者と多くを描こうとしているのです。そして 戦争で死んでいくことの意味、生き残ったことの意味について語ってはいるのですが、、なんか脚本が微妙に感じてしまったんですよね。
NoTitle
邦画は感動させようとしている魂胆(?)が見え見えな物が多く、この作品も話題だった程感動できるかどうか・・・とずっと手が出せずにいるんですよね。
それでもこの時代に生きた人々の想いは感じいるものがきっとあるはず。
観ておくべきですよね・・・