コブタの視線

日本で起きた＜援助交際＞＜オヤジ狩り＞という事件報道にインスパイアされ製作された、この作品　今の時代だからこそ生れ、そしてリアルにおぞましく恐ろしい作品になったように感じました。

賢く好奇心旺盛でおませな１４歳の少女ヘイリーと才能あるファッションフォトグラファーのジェフ。二人は出会い系サイトで出会い、三週間チャットで話をしお互いに好意を抱き、実際会うこととなる。
そこで　意気投合し、ジェフはヘイリーを自宅に誘い込む。
子供らしい無邪気さで、ジェフの思惑などまったく気付いてないかにみえるヘイリーの様子だったが、ジェフは気が付いたら薬で眠らされ、椅子に縛り付けられていた。狩るもの狩られるものの立場が逆転して。。

という物語、主要登場人物は　ジェフとヘイリーだけ、そして舞台はジェフの自宅内が殆ど、そんな限られた世界での緊迫感のある物語はハッキリ言って、精神的にきつい映画です。

殆どがこの二人の人物の会話のみで成り立つストーリ展開、これで魅せるというのは　脚本の凄さと、役者の演技、そしてカメラアングルが優れているからこそ出来た技だと思います。

　以外なことに　１４歳の少女に甘い言葉をかけ、自宅に引き入れというジェフの行動、一見何も異常なところがなく紳士にすらみえてしまう
様子でで描かれ、寧ろ優等生と自負するだけの頭の回転と、洞察力、行動力と実行力に満ちたヘイリーの異常性が激しく描かれています。

決して大人とはいえず、あくまでも子供らしい真っ直ぐさと無邪気さをもちつつ大人顔負けのしたたかさで　ジェフを精神的にも肉体的にも追いつめていくヘイリーの姿は怖いとかを通り越してしまっています。

コブタは　ヘイリー　ジェフどちらにも共感できるわけではないのですが、ジェフとともにヘイリーの行動の数々に、息苦しいような気持ち悪さを感じてしまいました。

まあ　よく出来た映画だとは思うのですが、不満があるとしたら、ジェフ自身の異常性といったものがあまり　表だって描かれていないこと。
彼が行おうとしたこと自体も、一般的にみてとうてい許されることではなくハッキリいって犯罪で、ヘイリーとの程度の違いこそあれ異常者です。ジェフってもしかして変な人ではないのでは　というスタンスではなく、本質をもう少し激しく出したほうが、１on１　の構図がさらに生きたようにも感じます。

また　二人をめぐる　人物があまり生きてないのがもったいない感じがしました。
近所の住人にしても、かつて写真のモデルをしていた少女にしても、もう少し効果高く脚本に絡んでくるようにしても良かったように感じました。

あと　もう　圧倒的にヘイリー有利な展開が多く、もう少しジェフの反撃　もしくは　ラストに捻りが欲しかったかな？と思うのはわがままでしょうか？

しかし　この暑い夏、なんとも心冷えた気持ちにさせてくれるので　今みるのにいい映画だと思います。

性犯罪で　投獄されている方のレクレーションタイムとかに　この作品上映する！というのは駄目なのでしょうか？





評価　★★★★☆

監督　デイヴィッド・スレイド　
出演　パトリック・ウィルソン
　　　エレン・ペイジ

タイトルの「ハードキャンディー」には
公式サイトによると、
１　砂糖を結晶化せずに沸騰させたコーンシロップで作ったキャンディー
２　固いけど砕けやすいキャンディー
３　突起したペニスのこと
４　ヘロインの別名

といった意味があるようです。
内容的に２番目と３番目の意味を含んでいるのでしょうね～

ちなみに、楽天で[ハードキャンディー]で検索したらこんなものが出てきました。
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あまりハードな感じがしないキャンディーですね、、（’’
キュウイ味は食べたことありますが　まあまあ美味しかったです。

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