Date:2006/04/03 23:17
第75回アカデミー賞短編アニメーション部門ノミネートされた 「頭山」をみました。
こちらは ケチで なんでも拾ってくる男が、道ばたで拾ってきたさくらんぼを種ごと食べたことで 頭のてっぺんから桜の木が生えてしまう。男はそのことによって様々な事態に遭遇していくことになるが、、という落語「あたま山」を現代風にアレンジした物語を山村浩二さんが短編アニメーションにしたものです。

物語もなかなか 奥ふかく 頭に桜の木が生えるということで 一つの特殊空間が生れ、そこで彼が意図せぬ事態がそこで繰り広げられる、、その頭の上の桜の木を異次元ととるか 男の精神世界ととるかで 解釈も色々楽しめ その空間が 男をどこへ誘ってしまうのかといった内容が15分ほどの短い映像の中に見事にまとまっていました。
短く単純なものの 奥の深い世界観を楽しむことができます。
評価 ★★★☆☆
製作:ヤマムラアニメーション
語り、三味線:国本武春
演出、アニメーション、美術、編集:山村浩二
この作品 日本人がみても 楽しめるのですが 海外の人この独特なジャパネスクな世界がさらに面白いものとしてみえるのでしょうね
第75回アカデミー賞短編アニメーション部門ノミネート
グランプリ:アヌシー2003
グランプリ:第16回ザグレブ国際アニメーション映画祭
グランプリ:第10回広島国際アニメーションフェスティバル
グランプリ:レンコントレス国際アニメーション映画祭
グランプリ:第15回ドレスデン国際アニメーション&短編映画祭
グランプリ:メディアウェーブ2003
最優秀短編アニメーション賞:第2回国際アニメーションフェスティバ アニフェス2003トシェボニュ
最優秀短編アニメーション賞:第8回マンチェスター国際短編映画祭
最優秀短編アニメーション賞:バダロナ国際映画祭(FILMETS)
準グランプリ(コンピュータ・アニメーション/ビジュアル・エフェクト部門):アルス・エレクトロニカ・フェスティバル
銀のハト:第47回国際ライプチヒ・ドキュメンタリー・アンド・アニメーテッド・フィルム・フェスティバル
Silver Jaberrwocky:ETIUDA&ANIMA 2005
第2位:Festival Internazionale Cinema d'Animazione e Fumetto 2004
優秀賞(アニメーション部門):平成14年度(第6回)文化庁メディア芸術祭
最優秀サウンドトラック賞:クレルモンフェラン短編映画祭
最優秀短編観客賞:第8回シネマ・トウ・エクラン
審査員特別賞:キアヴァリ国際アニメーションフェスティバル
審査員特別賞:第8回イ・カステリ・アニマティ
審査員特別賞:ビルニウス国際アニメーション映画祭
審査員特別賞(from Konstantin Bronzit):オランダアニメーション映画祭
特別賞:第19回ベルリン国際短編映画祭
特別賞:第12回シュトッツガルト国際アニメーション映画
と海外の賞を総なめにしています。これを評価した海外というのもなかなかなセンスだなと思ってしまいました。


この記事に対するコメント
ai さんへ
この作品 日本人ならシックリするテンポとノリで面白かったです。
古さの中にも なんか新しさを感じる物語でした!
NoTitle
これ観たかった作品です。物語もさることながらこの独特なアニメタッチが日本の古典的でありながら新しさを感じます。
今DVDで観れるなら是非とも探して観てみたいです!
二純 さんへ
おお これも観られていたんですね!
コブタも偶然ケーブルでやっているのを観ることができました。
ラストの世界が多重構成になって繋がっていくシーン コブタも魅せられてしまいました。
睦月さん へ
コブタも会社から こっそりお返事です。
睦月さん自身が物を創り出す側の立場の人だから あの表現力なんだな となんか納得してしまいました。
この作品 手書きならではの味わいと 無駄な要素のないシンプルさ 短さを感じさせないくらいのクォリティーの高い作品でしたよ!
コブタさん。こんにちわ。
またこっそり会社からコメントです。
睦月ね、実はハタチ前後まで漫画家を目指していたんです。マーガレットなんかにも投稿したりして(笑)だから、資料としてたくさんの漫画も読んだし、アニメにもなにげに詳しかったりします。
この頭山の製作の苦労秘話をTVで見ましたが、全てを手書きで、たしか一人で仕上げたアニメーションですよね。ホントに短い物語なんだけど、それをアニメにするってのはとんでもない作業です。実際に自分がそういう作業を経験したことがあるっていうのもあって、作者の努力に感激しました。
この映画はナンセンスな落語の「言葉でしか成立しない世界」をアニメーションという「映像でしか成立しない世界」に見事に置き換えてしまったところが秀逸ですね。頭の上のミニチュアの世界がラストの伏線になっているところが印象的でした。