評価 ★★★★☆
製作年: 2010年
製作国: アメリカ
日本公開: 2011年1月15日
上映時間: 2時間0分
配給: ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
監督: デヴィッド・フィンチャー
原作: ベン・メズリック
脚本: アーロン・ソーキン
撮影: ジェフ・クローネンウェス
音楽: トレント・レズナー
出演:ジェシー・アイゼンバーグ
アンドリュー・ガーフィールド
ジャスティン・ティンバーレイク
最初のシーンから、圧巻でした。私とオオブタさんでも、物語の見方が変わっていたコチラの作品。是非、誰かと一緒に見に行って、その物語の見え方の違いを楽しむのもいいかもしれません。
【ストーリー】2003年、ハーバード大学の学生マーク・ザッカーバーグ(ジェシー・アイゼンバーグ)は、学内で友人を増やすためのサイトを親友のエドゥアルド・サヴェリン(アンドリュー・ガーフィールド)と共に立ち上げる。サイトは瞬く間に学生たちの間に広がり、ナップスター創設者ショーン・パーカー(ジャスティン・ティンバーレイク)との出会いを経て、社会現象を巻き起こすほど巨大に成長していくが……。(シネマトゥディ)

フェイス・ブックというと多くの映画の中で、主人公がどのくらいイケてない人間かを表現するするのに使われていますよね。実名という要素が敷居が高く日本人には馴染みのないソーシャルネットワークなのですが、この映画で描かれているのは、そのサイトを作り上げた人物マーク・ザッカーバーグ自身。
元々、監督・スタッフ自身も、フェイス・ブックを使っていないという事もあるようですが、フェイス・ブックというものに馴染みのない日本人でも十分見応えのある映画となっていました。
コミュニケーション能力が低い天才的プログラマー、マーク・ザッカーバーグが作り出した者が、人と人とを結びつけるビックサイトという物語。そしてあまりにも個性的すぎる、マーク・ザッカーバーグという人間性。これをどう観るかで、映画の印象がまったく変わってしまうという面白さがあります。
天才であるマーク・ザッカーバーグの思考の速さ、発想力、行動力といったものがずば抜けていて、ハッキリいって凡人には理解しがたい存在。彼がいた大学はハーバードであるから、回りにいた人もかなりの頭脳を持った人達であったに関わらず、彼には誰もついていけない状況。そんな彼が作り出したフェイス・ブックという人のコミュニケーションを作り出すサイトという事実。この状況をどう見るかで、マーク・ザッカーバーグという人物が幸せな人なのか? 不幸な人なのかという見え方が変わってきて、ラストの名刺を眺めるマークの表情を真逆に捉えてしまいます。
私は、コミュニケーション能力のない男が、一大コミュニケーションサイトを立ち上げ、ネット上では多くの友達をもっているものの、実生活においては孤独という部分に切なさを感じ、可哀想に思えたのですが、
オオブタさんの意見は違っていて、まず『自分がやりたい事を、次々と実現していける能力と環境があった事』羨ましく、その状況が最高に幸せなのではないのか? と言ったんですよね。そして、会社というものが出来ていく様子をわくわくしながら観ていたようです。
この映画が、今まさに生きている実在の人物を描いている事もあり、本当はどうなのか? というのも強く気になる所。
エドゥアルドを親友だったという位置づけにしていますが、そもそも本当にそういう存在だったのか? マーク・ザッカーバーグはある構想が頭に浮かび、それを構築するのに、プログラムを組むと同じように、その時、その時最適な人材を遣い会社やシステムを発展させていった。この映画において、エドゥアルを切ったのはショーン・パーカーが排除したかのように描かれていますが、もしかして単に必要がなくなったから切っただけではないのか?
改めて、マーク・ザッカーバーグという人物に興味をもってしまう、そんな作品です。
まず観て、そしてそれぞれで色々考えるのも楽しいのではないでしょうか?
【オオブタのがさんの一言】会社を立ち上げていくときの情熱といった要素に見せられた。天才は理解できないものなんだなと改めて感じた。
この記事に対するコメント
ノラネコさんへ
こんばんは
ノラネコさんは、オオブタさんと同じように感じたんだろうなと思っていたのですが、私の見えかたも感じていたなんてチョットうれしいです。
自分の頭の中にあるものを、次々と実現化していくあのエネルギーは、観ていて引き込まれるところがありましたよね。
あと、凡人には理解できない、天才ならではの言動も、圧巻でした。
たしかに、ラストそのギャップが良い意味で余韻を与えてるのかもしれませんね
こんばんは
なるほど、お二人の見方の違いが面白いですね。
私は、そう両方感じたかな。
今まで無かったものが出来上がってゆくプロセスとエネルギーは凄くワクワクするし、やりたい事を実現できる能力と環境は確かに羨ましい。
でも、そんな主人公が全てを手に入れてハッピーエンドの物語なんて凡人の観客は見たくないですから(笑
多くのものを得た、けれども・・・という情感があるから、この映画に感情移入できるのでしょうね。