Date:2010/06/12 01:35
最近は、クリエイターとして何を作り出していくか?という北野武監督自身の悩みをそのまま表現したかのような内容の映画が続いていたのですが、、
今回はズバリ『ヤクザ物!』作りたいモノが固まったのか?原点に戻ろうとしたのか?ストレートなバイオレンス映画を作ってきましたね!
予告にあるとおり、出てくる人物みな悪人!感情移入できるわけでもないけれど最後まで一気に魅せてしまう所はさすがですよね!
やはり 役者陣が全員名優と呼ばれる方ばかり、それぞれが違った悪を見せてくれますよね~!
【ストーリー】関東一円を取り仕切る巨大暴力団組織・山王会組長の関内(北村総一朗)が若頭の加藤(三浦友和)に、直参である池元組の組長・池元(國村隼)のことで苦言を呈す。そして、加藤から直系ではない村瀬組を締め付けるよう命令された池元は、配下である大友組の組長・大友(ビートたけし)にその厄介な仕事を任せる。こうして、ヤクザ界の生き残りを賭けた壮絶な権力闘争が幕を開けた。
(シネマトゥディ)
コチラの北野武監督、『ヒーローショー』の井筒和幸監督、『告白』の中島哲也監督 才能ある日本の監督3人同じ時期に 悪意が連鎖しておこる悲劇とそういった連鎖に巻き込まれた人たちの虚しさを描いたこの3作を作り出してきたのって 面白い偶然ですよね。
同じバイオレンスという題材を選んだことで、それぞれの監督の個性が際立たせることになり、見比べることで表現方法、意図といったものを強く楽しめます。
どの作品も 自己中心的で愚かな感情から発したバイオレンスな世界なんですが、
中島監督はメインを実力派俳優で固め静かに淡々と精神的にいたぶる表現をしてきたのに比べ、ストレートに表現してきた井筒監督の北野監督。
井筒監督は主役二人以外はあえて有名所を外し泥臭くリアルに描き、北野監督はコレでもかという層層たる豪華俳優人だけでキャスティングし独特のブラックユーモアを交えて誇張した形表現しています。
一番目をそむけたくなる バイオレンスを描いたのは北野監督で、とにかく観ていて痛い!!私は「あぁぁぁああ、、、と低く唸りながら」観ていて思わずプルプルしながら観てしまった
そんなことを、登場人物が相手が受けるであろう苦痛を理解して笑顔で行動していくところが、この映画の怖さであり可笑しさ、そういった事が、兄弟とか親爺と呼び合う関係の中で繰り広げられる皮肉。
強烈なバイオレンスシーンの連続に関わらず、どうしようもない虚無感を感じてしまいます。
またバイオレンスだけでなく、このトンでもない豪華出演者陣の競演も見所!
普段はあまり悪人な役をしないような人までが、トコトンヤクザな男を演じきっていて、その成り切りぶりも見ていて楽しいです。
彼らの、迫力ある『何だ~コノ野郎!』の応酬だけの迫力のある怒鳴り合い、そのシーン見ごたえがあるのにどこかユーモアを感じ笑いを誘い、緊張と緩和を生みテンポよく見せてくるところはさすがですよね。
【オオブタさんの一言】武らしいというか?物語自身は以前の作品のまんまではとは思うけれど、最後まで楽しく観れた

評価 ★★★☆☆
監督 北野武
出演 ビートたけし
三浦友和
椎名桔平
加瀬亮
國村隼
石橋蓮司
小日向文世
杉本哲太
北村総一朗
塚本高史
中野英雄
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