Date:2010/05/08 20:30
最近、大人なアニメが多いですよね!
『コララインとボタンの魔女』に 引き続き、コチラも大人な(ヤラシイ意味ではなく)アニメ。
一見ありきたりなシンプルな物語にみえて、キャラクターやアイテムに込められた意味が深く味わいのある作品でした。
コララインや、シザーハンズを彷彿される主人公9が制作される所から始まるのですが、そのあと続く世界はかなり過酷なもの。
コラライン以上に子供は楽しめない物語かもしれません、映像はかなり怖いです。
【ストーリー】古びた研究室の片隅で、背中に数字の9が描かれた奇妙な人形が目を覚ます。人形が外に出てみると街は廃虚と化しており、ぼう然とする彼の前に2の背番号を持つ人形が現れ、自分たちは仲間だと語り掛ける。しかし、突如現れた巨大な機械獣が2を連れ去ってしまい、ほかの番号を持つ人形たちと出会った9は2を救出しようとするが……。
(シネマトゥディ)
コチラ、元々は11分の短編映画を元に作られたもの。
麻で作られたロボットが獣型のロボットと戦いを描いたもので、台詞もなくどういう世界で主人公達は何者で、敵と何故戦っているのかも説明はない。
観客はその空気感を感じ楽しむ作品だったのに対し、、長編はシッカリとした冒険物語となっており9体のロボットとともに観客はハラハラドキドキしながら物語を追っていくようになっていました。
短編が寡黙な世界だったのに比べ、長編はかなり饒舌。そして中途半端に希望を残す
世界感がシッカリ描かれ、9体のロボットの個性と役割がハッキリあることで、、よりキャラクターへの愛着を感じそれだけにラストが切なく感じました。
ラストは短編とほぼ同じだけれど、長編の方が中途半端に希望のある感じです。
とはいえ私は 長編のラストはちょっと意外でした。(ネタバレのため 白で表示しておきます)
一人の人間の心を分割して作られた9体の人形、そして人間の闘争心や破壊衝動といった愚かさだけを集約した存在の兵器ロボットという事から思いついたラストは次の二つ。
一つは9体の精神を敵と融合させる事でそこに完全な疑似人間を作り出し兵器ロボットを破壊行動を止めるというもの。
もう一つは、4体の精神の入ったパーツを取り戻すことで、4体は復活し 再び9体で人間なき後の世界 人間的な存在として生きていくと思ったのですが、、
まさか 精神を解放するだけで、残り5体で戦いの終わった世界で疑似家族が作られるというラストとは。
キリスト教的世界感なので、、科学をよしとしてない世界はあるのですが、博士が人間が滅び行く運命を察知してせめてもと自分の性格をコピーして作った9体のロボット。
人形、それぞれに人間の存在を示す意味では意味をもった存在だと思うのにこのラストだと、その博士に意思が弱まってしまうように感じるんですよね。
ラスト1対残して全て破壊され、人類の悪しき意思の象徴である兵器ロボットを倒したあとその中に封印された精神を残った1対が全て精神を引き継ぎ、人の意思を継承した擬似人間が完成するというのならわかるのですが、、。
そういう意味で腑に落ちなかったのは、私の読解力が足りなかっただけなのでしょうか?
でもなんとも退廃的で刹那的な空気は好きで、世界感は惹かれるものがありました。
もしコチラを観るならば、元となった短編を先に見ていくと、その類似点と相違点が楽しめるのではないでしょうか?
【オオブタさんの一言】 雰囲気がよく最後まで一気に観てしまう。ただ、、ちょっとラストが意外

監督・原案 シェーン・アッカー
製作 ティム・バートン / ティムール・ベクマンベトフ
脚本 パメラ・ペトラー
音楽 デボラ・ルーリー
出演 イライジャ・ウッド
ジェニファー・コネリー
クリストファー・プラマー
ジョン・C・ライリー
クリスピン・グローヴァー
マーティン・ランドー
フレッド・ターターショー
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