Date:2010/02/20 23:50
先日、今度は愛妻家を観て行定勲監督には感動のあまり泣かされましたが、、
まさか、、その感動が冷めやまぬうちに、、恐怖に震えさせられるとは、、、(><)
この日観た映画は 『コララインとボタンの魔女』とコチラ『パレード』
偶然とはいえ どちらも孤独から逃れようとする人の物語、、面白いものですよね。
【ストーリー】映画会社勤務の直輝(藤原竜也)、イラストレーター志望の未来(香里奈)、フリーターの琴美(貫地谷しほり)、大学生の良介(小出恵介)たちは、2LDKマンションで共同生活を送っていた。それぞれが不安や焦燥感を抱えながら、怠惰な共同生活を続けていたが、男娼のサトル(林遣都)が現われたことで変化が起こり始め……。
(シネマトゥディ)
この映画の嫌な所は、衝撃的な犯罪のシーンよりも、、何気ない日常風景のほうが怖いんですよね。
孤独は嫌、かといって人と深く関わることはできない人が作り出した最適な移住空間!ルームシェアという形で共同生活を送る4人に新たなる人物が登場することで日常が壊れ出すと物語紹介されていますが、若干そのニュアンスって違うんですよね。
その空間で住むことになった5人の人物の歪んでしまった日常生活を描いているんですよね。
この性格も社会的立場も異なる5人の人物、基本的には良い人ではるもののそれぞれ異なる悩みを抱えている状況で、孤独への葛藤に苛まれながら必死で自分心を守るために回りがまったく見えていません。もしくは見えていても見てみぬふりをしている関係。
近所で連続殺人事件があっても我関せずで、また同居人たちのプライベートも興味なくプロフィール程度の情報しかしらない。
同居人が道義的にいかがなものかといった行動を行っていたとしても、未来のない恋愛をしていても、受け止めているかのような言動をしているものの積極的に阻止しその人を守ろうとはしない。
上辺だけの付き合いで相手に興味ないというよりも、今の快適な空間を崩したくないといから相手を深くみないと 本末転倒の仲間意識からくるものなんですよね。
一見 この世界を壊すかのように現れたサトルですが、彼の存在は壊すというよりその関係を浮き出させて強固なものにしてしまいます。
その結果 とんでもない状況の中、何気ない日常を繰り広げることになるのですが、、
この映画で描かれている世界って今の世の中で結構普通に行われていそうな状況であることが、この映画の怖さなんですよね。
冷たいとか、病んでるとかではなく 処世術としてこういった付き合いだけをしている事って多そうです。
また、人からみたら稀薄な人間関係に関わらず、本人にとっては大切な絆であり無意識に壊れないようにと守る。
学生時代とかこういう関係を築いていた人って多いのではないでしょうか?
最近よくTVでよく聞く言葉『いつも挨拶してくださるし、こんな事件を起こすような方には思えなかった』
これも、、そういう人間関係の結果ですよね。
そういう意味でも、まざまざと現在社会の縮図を見せつけられることが怖い映画ですよね~
【オオブタさんの一言】もう少し すっきりとしたオチをつけてくれたら気持ちよかった気もするけれど
これはこれで ありなのかな

評価 ★★★☆☆
監督・脚本 行定勲
原作 吉田修一
出演 藤原竜也
香里奈
貫地谷しほり
林遣都
小出恵介

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