今年、楽しみにしていた映画の一つ、Dr.パルナサスの鏡ようやく公開!
テリー・ギリア監督作品というだけでも映画ファンにとって外せない作品なのに、これはヒース・レジャーの遺作、、外すわけにはいかない映画となってしまいました。
悲しい皮肉ですが、、この作品 ヒースの死がより映画の話題を高め、映画自身の内容の幻想性を深め、面白さを増してしまってますよね。
この映画においてのヒースの役割は、あるきっかけで不思議な一座と関わりをもったことで、鏡の中の世界に引き込まれてしまう男の物語。
ダーク・ナイトのジョーカーがヒースを死に追いやったと言われていますが、、私にはコチラの映画がヒースを違う世界に誘ってしまったのでは?とすら思ってしまいました。
【ストーリー】鏡で人々を別世界に誘う見せものが売りの、パルナサス博士(クリストファー・プラマー)の移動式劇場はロンドンで大盛況だった。観客は博士の不思議な力で自分が思い描く、めくるめく世界を体験できるのだが、そこにはある秘密があった。トニー(ヒース・レジャー)はそのアシスタントとして観客を鏡の世界へと導く役目を担っていたが……。
(シネマトゥディ)
コチラの作品、テリー・ギリアム監督の夢の中に登場人物も観客も引きずり込みそし漂わせ惑わせるそんな内容の映画。
物語全体が、夢の世界のように取り留めもなく漠然としていて、だんだんそれが悪夢へと変わっていくのに抗う事ができずズルズルと引きずられていくそんな感覚なんですよね。
なので、見終わったあとも尚、映画の世界からしばらく抜け出せず漠然とした気持ちのままなんかぼんやりとした状態になってしまいました。
この映画の中の世界の秘密を握るパルナサス博士、世界を操るMrニック、傍観するパーシー、その閉ざされた世界の中でそわついているだけアントン、鍵となっているヴァレンティナ。そこ世界に急遽飛びこんできた、記憶喪失の男トニー。
注目のヒース演じるトニーは一見、その世界を解放する為に現れた救世主のような存在に見えるのですが、パルナサス博士一行に俗な人間社会の要素を引き入れてきた存在。
純粋な所もあるのですが、自己顕示欲と金欲に弱くトニー。デップ担当する永遠の美の世界、ジュードが担当する才能と名声世界、コリン演じる平和で自由な世界と鏡の世界に触れるにつてトニーはだんだん欲に傾いていき、ダークな部分を見せ始めます。
その彼の存在はパルナサス一行のいる半幻想世界を人間世界への道を作りヴァレンティナの運命を大きく動かすことになるのですが、、彼自身は幻想世界に取り込まれたまま、、。
ラストそれなりの結果を見せるのですが、突如幻想から冷めた世界を見せられ戸惑っていると、映画の中から会場中に響き渡る携帯電話の着信音、Mrニックが生み出す混沌の世界が映画終わってな尚存在し続け、それが観客の世界まで広がっていくことで妙な余韻を観客に残していきます。
映画を観るというより トリップしにいくそんな作品。
夜ラストの回を観て、そのまま テリー・ギリアムが作り出したヒースの残した夢の世界を、自分の夢の中まで持って行くのもいいかもしれませんね。

Dr.パルナサスの鏡、物語も映像も秀逸なのですが、もう一つ凄いのが結果あり得ない豪華キャストになってしまった事。
ヒース・レジャー ジョニー・デップ ジュード・ロウ コリン・ファレルという凄い面子が四人一役という 普通に考えたら無茶な設定。
しかもそれぞれが個性的な俳優さんばかり!本当に一人の人間を演じられるのかというの見所であり、心配な所でした。
予告編で観た感じでは、デップとジュードはいいけれど コリン・ファレルだけがやや無理があるように見えたのですが、、それぞれがヒースの演じたトニーの特徴を違った角度から演じているんですよね。
コリンはあえて演じてそうしていと見えたのですが、、ヒースとデップとジュードって顔は全然違うのに、元々表情の作り方や、顔の筋肉の使い方って結構似ていたんだと改めて思ったのは私だけでしょうか?
あと、、ダークナイトで ジョーカーが逆さ吊りでおわり、今回の映画は吊られた男で始まる、、そこに妙な符号を感じてしまいました。
吊られた男って
正位置だと
修行、忍耐、奉仕、妥協。
逆位置の意味
徒労、痩せ我慢、欲望に負ける。
という意味があるそうで、、そういう意味でも 色々考えてしまうものがありますよね、、。
【オオブタさんの一言】ギリアムらしい 幻想的な映画で楽しめた。

評価 ★★★★☆
監督・脚本 テリー・ギリアム
脚本 チャールズ・マッケオン
音楽 ジェフ・ダナ / マイケル・ダナ
出演 ヒース・レジャー
ジョニー・デップ
コリン・ファレル
ジュード・ロウ
クリストファー・プラマー
リリー・コール
トム・ウェイツ
ヴァーン・トロイヤー
アンドリュー・ガーフィールド

この記事に対するコメント
ジグソーさんへ
おおお ジグソーさんとしては お久しぶりですね!
本当によく完成したね~という感じですよね。
しかも こんなアクロバティックな方法で作り上げてしまうとは、
でも、、テリー・ギリアムらしいですよねこれも。
ヒースですが、、どうも、、ジョーカーあたりから おかしな運命に引きずられているように見えるんですよね、、
そういう見方しても、、意味深い映画でしたよね
どうも!
ややこしいですが、なんとなくこちらにはジグソーとしてコメントさせてもらいます(笑)
遅ればせながら見てきました!!
やっぱり映画以上に舞台裏のことばかりが脳裏によぎってしまいましたよね。
本当に完成自体が奇跡のような映画ですよね。
でも映画自体もテリー・ギリアムの独特の世界感にどっぷり浸れるほど面白かったです。
そういえばジョーカーも吊って終わってましたね!
なるほどぉ・・・
ノラネコさんへ マサルさんへ
ノラネコさんへ
先日はお疲れさまでした!
お店も素敵で、楽しい時間でしたね!
コチラですが、本当に久しぶりにギリアムっぽさ炸裂の作品でちょっと嬉しかったです!
運命というのはあまり信じないほうなんですが、、こうも符号があうと怖いものを感じてしまいますよね、、
マサルさんへ
先日はお世話になりました!
色々、刺激があって楽しい時間が過ごせました!
ストロングボウですね!記憶!
私のようにあまりお酒が得意じゃない人向けのお酒って、飲みやすくても甘ったるかったり、丁度いい感じのものがなかっただけに、ストロングボウ嬉しい出会いでした!
映画力ですか、、私も好きでから観ているものの観る能力ってなかなか難しいものだなと ブログ初めてから思ってしまってます。
基本的に気分でだけ観ているので、皆さんみたいに鋭い観方ができなくて、、
マサルさんのようにクールに分析できるというのが私はうらやましいです!
先日はどうもー
こんばんは。先日は朝までおつきあい頂き、ありがとうございましたー。(あ、例のお酒は、「ストロングボウ」ですー)
この作品、私は途中で眠くなってしまったのですが、なるほど、ストーリーを追う映画ではなくてトリップする映画ですかー。確かに、そういう観方が出来れば楽しめそうですね。私はどうも理屈っぽくなりがちで、そういう意味での「映画力」がなかなか上がらないのですが...。
というわけで、また次回の飲み会でもよろしくお願いしますー。
こんばんは
昨日はお疲れ様でした~!
この映画、久々にギリアム節が全開でしたね。
ヒース・レジャーの死をあんな形で物語りに取り込んでしまうとは。
確かに、この結末を見ると、レジャーは鏡の向こうに誘われてしまった様にも思えます。
逆さ吊りのジョーカーと吊られた男の符号、なるほど!
何ともミステリアスです。
ななんぼさんへ
こんにちは!
コメントありがとうございます!
円グラフは 文章力のない私の苦肉の策ですが、そのように言っていただけて嬉しいです。
テリーギリアムは、たしかに好き嫌いは別れますが、私は好きな監督です。
今回も、ギリアムらしい作品で満足しています(^^)
ヒースの代役3人も驚くほど、ヒースのトニーと同一人物というのを納得させる演技で驚いてしまいました!
これも愛の力なんでしょうね!
でもおっしゃる通り、もっともトニーの本質の出たシーンは、ヒース自身が一番演じてみせてかったのでしょうね、、(つ;)
こんばんは
コブタさん、はじめまして。
コブタさんの感想と円形グラスがとても判り易くて
思わずコメントしてしまいました。
ギアム監督作品は好き嫌いハッキリ分かれるますけど、
私はこの世界観大好きです。
幻想的な映像で魅了しておきながら、実はかなりシュールでブラックな内容でしたよね。
これってパルナサス博士vs悪魔のように見えますけど、悪魔がなんともしてもトニーの魂を奪いたくてパルナサス博士の心理を利用したようにも見えました。
しかし、内容もさることながらトニーを演じたヒースは素晴らしかったですよね。もう、この作品よりも新しいヒースを観ることは叶わないんだと思うと悲しくなりました。
そして、代役を務めた3人も素晴らしかった!
それぞれがヒースの面影を感じるような芝居をしていて、本当に心からヒースに敬意を払っていることが伝わってきて、色んな意味で感動しました。
特にコリン・ファレルが演じたトニーは「裏の顔」もあったので印象に残りましたし、ヒース自身も演じたかっただろうなぁ…と感じましたね。
はらやんさんへ ななさんへ
はらやんさんへ
本当に、テリー・ギリアムワールド炸裂でしたよね。
役者さんが撮影途中で死亡しても、それでも映画を作り上げてしまうなんて、エド・ウットかテリー・ギリアムくらいですよね~
エド・ウットとは違って、しっかりそのアクシデントを演出として取り入れてしかう所が素晴らしいです!
ななさんへ
テリー・ギリアム作品って たしかに、好みがハッキリでる所がありますものね!
だから 苦手というのも分かります。
ななさんが 初めてみたという、ブラザーズグリムは 私もアレは実は好きではなかったりします、、(^▽^;
>天国のヒースも喜んでいる・・・よね?
ヒースも、自分の死によってやり遂げられなかったことを、友が引き継いで完成させてくれたことは喜んでいるのでしょうね!
昨日、This is it のブルーレイを観たのですが、、同じスターの死ですが、あちらはマイケルなくしては永遠に完成しえない舞台、、それを思うと、コチラの作品は完成してくれて良かった!と思いました!
こんばんは
ダークナイトとは違う魅力のヒースに会えて
嬉しいやら切ないやらの気持ちでいっぱいになりました。
ギリアムさんの描きたかった世界って
コブタさんの解説でちょっとわかった気もしましたが
わかってもそんなに魅力は感じません(泣)
・・・・自分にとってはどうでもいいお話かも。
ファンの方には申し訳ないですけど。
ヒースの代役の3人の健闘を讃えたいと思います。
天国のヒースも喜んでいる・・・よね?
こんばんは
コブタさん、こんばんは!
まさにテリー・ギリアムワールドでしたね.
鏡の中の世界の代役も苦肉の策ではあったと思いますが、それをそもそもそういう設定であったかのように取り込んでしまえるところが、ギリアム作品ならではだと思いました。
ばちろうさんへ
二回みられたとは 凄い!尊敬してしまいます!
私も色々、それぞれの象徴することの意味はと考えて、、分からなかったので、ただもう世界を感じていたらいいかなと思って投げ出しました!
一見、善人にみえてダークな部分が見え隠れしてくる所!流石ヒースですよね。
口をイ~と動かすところとか、ジョーカーにも通じるのですが、あの口の動かし方って、デップもジュードも結構他の映画でもやっている仕草ですよね!この三人が似ているなんて思ったこともなかっただけに、この映画をみて驚きでした!
コリンたしかに やや違和感ありましたが、、予告編で感じていたときよりも意外にはまっていたように思えました。
慣れなのかな~?
なんか パンフにあったのですが、最初にヒースの代役をすると トム・クルーズが立候補してテリー・ギリアムに断られたとか、、
トムは、、コリン以上に違和感でてたでしょうね~
たしかに 語っても語っても、、切りながいほど、色々お話したくなりますよね、、 また 後日 ばちさんのブログに語りにいきますね~
語れて嬉しいっっ
私も見終わった後しばらくは呆然となってしまいましたよ・・・
続けざまに2回観てよかったと思ったくらい初回は難解不能でした。
2回みたからと言って理解も出来ないけど(^^;)
なんだか夢と現実の中をふわふわと
行ったりきたりするような物語でしたね。
段々とダークな部分が出てくるトニー。
そのダークな部分を演じてるヒースがふと『ジョーカー』に見えて
しまった私・・・
同じ人だからそう見えるんでしょうけど、『悪』の部分にまだ
『ジョーカー』を残したままだったのかなと思ってしまいました。
そして豪華すぎるメンバー!!ジョニーとジュードはなんだか角度に
よってはヒースに似て見える部分もあったように思います。
骨格が似てるのかな??
ただコリンは馴染むまで時間が掛かった(^^;)
はっ長々とごめんなさいね。なんか語っても語ってもきりがなさそうーー