『おもしろさタランかったら、全額返金!』
という映画界においてはかなり思い切ったキャンペーンを展開したコチラの作品。
観て一時間以内に退場したら全額返金というシステム。
このキャンペーンをやってほしかった映画って もっと他に色々あったのですが、、そういう危険な映画だとまず出来ないキャンペーンですよね、、。
ただ、、途中退場するかはどうかとして、、この映画予告ではギャグ映画のようですが実はウォーサスペンス映画。
なので『おもしろさ=笑い』と考えて観に行くと外してしまうかもしれませんが、タランティーノらしい脚本のおもしろさの生きた作品です。
【ストーリー】1941年、ナチス占領下のフランスの田舎町で、家族を虐殺されたユダヤ人のショシャナ(メラニー・ロラン)はランダ大佐(クリストフ・ヴァルツ)の追跡を逃れる。一方、“イングロリアス・バスターズ”と呼ばれるレイン中尉(ブラッド・ピット)率いる連合軍の極秘部隊は、次々とナチス兵を血祭りにあげていた。やがて彼らはパリでの作戦を実行に移す。
(シネマトゥディ)
タランティーノ監督は、自他ともに認める映画オタク。
数多くの映画を観て実際自分が感動した要素痺れた要素を、うまく自分の映画に取り入れるのが再現し、映画を観ていて感じた不満を解消して見せるというのがうまいですよね。
だからこそ映画好きが観ていてなんか、ニヤニヤしてみてしまう所があります
『イングロリアス・バスターズ』はタランティーノ監督にしてはシンプルでオーソドックスな物語ではあるのですが、その分キャラクターが引き立っていて会話が存分に楽しめる内容になっていました。
コチラの作品特に秀逸だったのは言語の要素。
ハリウッドが制作したヨーロッパ映画ではどの民族の人も英語をしゃべり進行していくのですが コチラは逆手にとり、それぞれの人物は母国語をもちそれプラス外国語がどの程度しゃべれるかで生死を分けるハラハラとしたドラマを生み出しています。
タランティーノ作品らしく 会話がもの凄く良く、ちょっとした会話の端々に各人物の人となりを見事表現している所がさすがですよね。
戦争という背景があるのですが、それぞれの登場人物が国や民族というより、結局は個の想いで行動している所も登場人物に人間臭さを与えている所なのかなとも感じました。
複数の登場人物がバラバラな目的で行動していくのに、ある地点に結果集い、それぞれに見合った結末を迎えていく様子が圧巻です。
会話のリズムと物語の流れ、それを素直に楽しむ映画ですね!
【オオブタさんの一言】ラストの映画館のシーンは面白い!
思ったよりもシンプルな脚本だけどそれだけに、会話の良さが生きている。
ワッピーの空間での記事はコチラ

評価 ★★★★☆
監督/脚本/製作 クエンティン・タランティーノ
製作 ローレンス・ベンダー
製作総指揮 エリカ・スタインバーグ
ロイド・フィリップス
ボブ・ワインスタイン
ハーヴェイ・ワインスタイン
出演 ブラッド・ピット
メラニー・ロラン
クリストフ・ヴァルツ
イーライ・ロス
マイケル・ファスベンダー
ダイアン・クルーガー
ダニエル・ブリュール
ティル・シュヴァイガー
ギデオン・ブルクハルト
ジャッキー・イドー
B・J・ノヴァック
オマー・ドゥーム
アウグスト・ディール
ドゥニ・メノーシェ
シルヴェスター・グロート
マルティン・ヴドケ
マイク・マイヤーズ
ジュリー・ドレフュス
ロッド・テイラー
![]() 映画批評 |
この記事に対するコメント
ノラネコさんへ
予告よ、来日したタラちゃんの言動をみるとオバカっぽく感じますよね~
でも、、ハイテンションでくるより、こういうトーンでくるほうが、タランティーノの味ってより生きるものなんだなと思いました!
言語から生まれるサスペンス要素、本当に面白かったです!
たしかに、これが現実なんだろうな~と説得力もありますよね!
さすがです!
こばんは
予告編を観てるとオバカ映画なのかと思いますが、思いのほか真面目にきっちり作られた作品ですね。
個人的には最近のワルノリが過ぎる作品よりも断然好みです。
タラ映画としては「パルプフィクション」以来の秀作だったと思います。
仰るように言語をスリルの源としたのは、ハリウッド映画への皮肉にもなっていて、面白かったですね。