コチラの作品は先日日本で公開された『3時10分 決断の時(感想はコチラ)』の元となった作品。
『3時10分 決断の時』と『決断の3時10分』どちらが面白いかというと、多分新作の『3時10分 決断の時』のほうが派手だしドラマチックなために面白いという人が多いと思いますが、『決断の3時10分』はコレはコレでその渋さがまた堪らない作品です。
『決断の3時10分』がしっかりしていて存在感のある面白い物語であるからこそ、その作品にジェームズ・マンゴールドが惚れこんで 『3時10分 決断の時』を熱い熱意 で作り上げたという流れあります。
その事からも、この作品がいかに素晴しいかというのが分りますよね!
【ストーリー】エルモア・レナードの原作をグレン・フォード主演で映画化した西部劇。アリゾナの広大な大地を舞台に、列車強奪を続けるウェードと、家畜を取られまいと奮闘する牧場主との駆け引きを描く。“コロンビア・プレミアム・セレクション 第1弾”。
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『決断の3時10分』は西部劇の中で異色の内容だったこともあり、当時はかなり評価が分かれたぞうです。
それまでの西部劇の醍醐味といったら、『勧善懲悪』『派手な銃撃戦』で正義であるカウボーイが悪であるネイティブ・インディアンや強盗団をコテンパンにやっつけることに爽快感を与え観客を喜ばせていたのですが、コチラの作品はそういう意味ではかなり裏切っています。
まず何よりも この映画において一番魅力的に描かれているのが悪である強盗団のリーダーベン・ウェイド!そしてそれに対抗するべき明確な正義の存在はいない。
また主人公たちが、西部劇でありながら両者の間で繰り広げられる戦いが、銃撃戦ではなくて心理戦。ダンがベンとの対話において3時10分にどのような決断を下し、それにたいしてベンがどう動くのかと、ラストほぼリアルタイムで進んでいく30分をジリジリと見入ってしまいます。
『3時10分 決断の時』と『決断の3時10分』はベンという犯罪者を牧場主のベンが3:10ユマ行きの列車に乗せるために護送するという物語は同じですが、登場人物の性格が若干違ってきています。
全体的にコチラのほうが登場人物『決断の3時10分』タフでワイルド、『3時10分 決断の時』の方がインテリで刹那的な部分をもった登場人物となっています。

一番異なっているのは、ダンが最後の決断を下すことになる理由!
アルコール中毒でその旅によって何か自分を変えたいとお思っている同行したアントニオのように、『そのことを達成することで自分や家族の未来が切り開けるのではないか!』とい意思をもって行動している為に、ラストはスコンと抜けた心地よさと爽やかな鑑賞後感があります。
同じ設定でありながら、ここまで違った味付けになっているというもの面白いですよね。
【オオブタさんの一言】勧善懲悪じゃない脚本がいい!
ベン役のグレン・フォードが、ラッセル・クロウとまた違った魅力を出している。
評価 ★★★☆☆
監督 デルマー・デイヴィス
原作 エルモア・レナード
脚本 ハルステッド・ウェルズ
出演 グレン・フォード
ヴァン・ヘフリン
フェリシア・ファー
レラ・ダナ
ヘンリー・ジョーンズ
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