Date:2009/09/30 20:46
大きな勘違いをしていました。
てっきり一つの作品の中で オドレイ・トトゥがココ・シャネルの若い頃を演じて、シャーリー・マクレーンが晩年を演じているものと思っていました。
そして、最初にココ・シャネルを鑑賞して、、あら?オドレイ・トトゥは何時出てくるの?と動揺しながら観てしまいました。
まさか同じ時期に 同じ人物の自伝映画が3本も作られていたとは、、、、ということで、二作品両方みてしまいました!
なので、二作品一挙に感想を書いてみようかと思います。
【『ココ・アヴァン・シャネル』ストーリー】孤児院で育った少女時代を経て、酔った兵士を相手に歌うナイトクラブの歌手となったガブリエル(オドレイ・トトゥ)。
その一方、つつましいお針子として、田舎の仕立屋の奥でスカートのすそを縫う日々に甘んじていた彼女は、将校のエティエンヌ・バルサン(ブノワ・ポールヴールド)の愛人となり、退屈な暮らしを送ることに……。
(シネマトゥディ)
【『ココ・シャネル』 ストーリー】1954年のパリ。空白の15年を経てファッション界に戻り、復帰コレクションを用意したココ・シャネル(シャーリー・マクレーン)のオートクチュール店には、たくさんの評論家や顧客が集まった。しかし、コレクションは不評に終わり、シャネルと、ビジネス・パートナー、マルク・ボウシエ(マルコム・マクダウェル)はがく然とする。(シネマトゥディ)
この二つの映画を観てみると、同じ人物を描いたものなのにその切り口の違いが面白いです。
同じ人物が登場するものの、その人物像や年齢 ココ・シャネルとの向き合い方が異なっており、それによってココ・シャネルのの何時を描きたかったがよく分ります。
『ココ・シャネル』はココ・シャネル男性社会の中で凛として信念をもって生きて栄光をつかんでいく様子を描きロマンチック、『ココ・アヴァン・シャネル』はココ・シャネルが感じた社会的に弱い立場によりままならぬ人生や不条理で馬鹿馬鹿しいことがまかり通っている社会への苛立ちが描かれていてでドラマチック。
同じ人物の伝記だけあってほぼ同じ展開で進むものの 大きく異なっている点は ココ・シャネルの人生の大きく影響を与えたと思われる エティエンヌ・バルサン ボーイ・カペルとの関係。
『ココ・シャネル』だとエティエンヌは傲慢でワイルドな男性で恋愛から愛人となり屋敷に移り住みその関係はほぼ対等な関係であるに比べ 『ココ・アヴァン・シャネル』ではかなり年配の穏やかで陽気な男性となっておりココが押しかける形で屋敷に住み込みハッキリ養う側と養われる側という埋めようのない溝が常にありエティエンヌはココに対して保護者として立場をとっています。
ボーイ・カペルは、グローバルな視点をもったハンサムな英国の実業家という部分では似ているものの、『ココ・シャネル』のほうがしっかりお互いだけ見つめあった愛という形で繋がっていて、『ココ・アヴァン・シャネル』のほうがどこか割り切ったドライな愛の描き方をされています。
これによって、『ココ・シャネル』二つの悲しい別れを経て愛を乗り越えることによって、ココ・シャネルはより強くたくましくなったとし、『ココ・アヴァン・シャネル』は彼女が人生で感じてきた様々な痛みに絶え乗り越えてきたからさらに強く男性社会に立ち向かうことができたとしているところが面白いです。
ココ・シャネルが ジャージの服やマリンルックを考案するまでのいきさつ、また黒の洋服をお洒落として世に送り出すことになったきっかけがなど細かい点も異なっていて、それが『ココ・シャネル』のココ・シャネルをキュートで格好良く、『ココ・アヴァン・シャネル』のココ・シャネル』を雄雄しく魅せています。
また ココ・シャンルの表現の仕方だけでなく女優の演技もそれぞれ見ごたえrがあり。『ココ・シャネル』のシャーリー・マクレーンが演じる他を寄せ付けないほどのオーラを纏ったココ・シャネルの『ココ・アヴァン・シャネル』のオドレイ・トトゥ演じる男性的で我が道をいく個性的な女性ココ・シャネルの演技は見ごたえがあります。
でも私だけでしょうか?若きころのココを演じたバーボラ・ボブローヴァよりも、オドレイ・トトゥ演じる若き頃のココ、晩年のシャーリー・マクレーンに繋がるのはオドレイ・トトゥのココのほうがシックリ繋がる気がするのは
逆に言うと『ココ・シャネル』で若いココ・シャネルを演じたバーボラ・ボブローヴァだけがココの女性的な可憐な部分を表現していたこともいえるのかもしれません。
どちらが 好きかは好みによるのでしょうが、どちらか一本しか観れないというならば、、
ココ・シャネルのサクセスストーリーを楽しみたいなら『ココ・シャネル』を、
破天荒なココ・シャネルという女性の激しい感情を感じたいなら『ココ・アヴァン・シャネル』をご覧になったらいいでしょう。

評価 ★★★☆☆
ココ・シャネル
監督 クリスチャン・デュゲイ
脚本 エンリコ・メディオーリ
撮影 ファブリッツィオ・ルッキ
出演 シャーリー・マクレーン
バーボラ・ボブローヴァ
マルコム・マクダウェル
サガモア・ステヴナン
オリヴィエ・シトリュク

ココ・アヴァン・シャネル
評価 ★★★☆☆
監督・脚本 アンヌ・フォンテーヌ
原作 エドモンド・シャルル=ルー
脚本 カミーユ・フォンテーヌ / クリストファー・ハンプトン
出演 オドレイ・トトゥ
ブノワ・ポールヴールド
アレッサンドロ ・ニヴォラ
マリー・ジラン
エマニュエル・ドゥヴォス
この記事に対するコメント