この映画、、美しい男三人の共艶といった感じで世の女性を萌えさせる映画かのように宣伝されていますが、、、その呼び込みはどうかと思うのは私だけでしょうか?
ある程度アーチスティックな内容の単館系映画に見慣れていて、かつ血塗られた残虐描写にも免疫がある方でないと、、物語に乗れないと思います。
私がみた日はレディースデーということもあり、ほぼ満席で9割が女性。
しかもロマンチックな韓流映画を観に来たかのようなキャピキャピとしたノリでお菓子持参できているような方が多かったのですが、、残虐シーンに引きつりヒイてしまっている方が多かったようです。
あと 良く分からなかったと言いながら出てくる人も、、。
独自の痛みに満ちた遣る瀬無い世界感をもった作品。たしかに宣伝文句どおり、(男女問わず)露出したシーン満載で美しい映像を堪能させてくれるのですが、一般で言われる優しさのある美しさではなく、痛みと残虐性を含んだ美しさ。
なので普通に美しく感動できる映画を観に行ったつもりでいくと戸惑うことになりそうです!
血は大丈夫!
痛いシーンはわりかし平気
全部を全部言葉で説明されなくても状況は判断できます
という人のみどうぞ!
【ストーリー】他人の痛みを身代わりとなって引き受ける特殊能力を持つ男シタオ(木村拓哉)が失踪(しっそう)。
元刑事の探偵クライン(ジョシュ・ハートネット)は彼の行方を追って、ロサンゼルスからフィリピン、そして香港へとたどり着く。そこでシタオがある女性リリ(トラン・ヌー・イェン・ケー)と一緒にいて、彼女を愛する香港マフィアのボス、ス・ドンポ(イ・ビョンホン)もシタオを探していることが判明する。(シネマトゥディ)
この映画、美形三人の美しさが売りのように描かれていますが、映画全体が美しく感じました。
この三人だけではなく登場人物全員も雰囲気があり、アイ・カム・ウィズ・ザ・レインという世界の中に溶け込んでいました。
この映画、台詞が少なくシーンの空気で全てを伝える所があるだけに、その分役者さんもかなりの演技力や表現力が求められる作品。
映像として傷や痛みを表現しつつ、内面に抱えた怒り悲しみ葛藤といったものを表情や目で表現している所が素晴らしく、見ているだけで切なくさせるものがありました。
またトラン・アン・ユンも、役者それぞれの個性を生かしながらもそれらを組み合わせ自分のカラーを構築してしまっている所も流石です。
映像的には、エロかったり、残虐だったり、痛かったり、エグかったりするのですが、クールなトーンで纏めていることで、私はショックを受けつつも映像に引き込まれて静かに観ることができました。
ただ、、なんででしょうか??印象の強いシーンも多く、役者陣も熱演していたのですが、、全体の印象がどこかさっぱりしているというか、、それぞれの登場人物を傍観するというスタンスで見てしまう所があり 後々まで、心に強く残る映画ではなかったです。

評価 ★★★☆☆
監督 トラン・アン・ユン
音楽 レディオヘッド / グスターボ・サンタオラヤ
製作 フェルナンド・サリシン / ジャン・カゼ
製作総指揮 ジャン=ピエール・マノワ
出演 ジョシュ・ハートネット
木村拓哉
イ・ビョンホン
トラン・ヌー・イェン・ケー
ショーン・ユー
イライアス・コティーズ

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